菅田将暉&長澤まさみ、夫婦役での出産シーンで「号泣した」
『百花』の公開初日舞台挨拶が9月9日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、永瀬正敏、川村元気監督が登壇。夫婦役を演じた菅田と長澤が、出産シーン秘話を明かした。
映画プロデューサー、脚本家として『告白』(10)、『モテキ』(11)、『君の名は。』(16)などを手掛けてきた川村が、原作、監督、脚本を務めた本作。記憶を失っていく母、葛西百合子(原田)と、彼女に向き合おうとする息子の泉(菅田)による親子の愛を描く。長澤は初めての出産を控える泉の妻、香織を演じた。川村監督は「すべては映画館で観ていただくために頑張ってやったこと。ここに来ていただいている皆さんには心から感謝したいと思います」と初日に駆けつけた観客を前に、感無量の面持ちを見せていた。
親子役として初共演した、菅田と原田。撮影中は役に入り込み、その人柄を理解する余裕はなかったと声をそろえつつ、原田は「宣伝活動をするようになって、菅田さんって、いいヤツだなと思った」とにっこり。菅田が「ありがとうございます!」と感謝するなか、原田は「仕事に対して真摯だし、一生懸命にいいものを作ろうとするし、男気もある。息子のように歳は若いんですが、頼れる人だなと思っています。またいつか一緒に仕事ができたらうれしいなと思っています」とラブコールを送った。菅田は「こちらこそです」と切りだし、「今回は、会話が成立しないお芝居がほとんどだった。次はぜひ、ほんわかしたコミュニケーションを取れたらなと思います」と再会を願い、意気投合していた。
長澤は、「子どもを産むシーン」が印象深いと明かした。撮影の準備段階では「イマイチつかめなかった」というが、「その場所を貸していただいた産婦人科さんの本当の助産師さんが、一緒にそのシーンの段取りをしてくれて。そうしたら本当に産めたんです」と告白。「それまで産めるかなと思っていたんですが、産めました」と続けて、周囲の笑いを誘った。菅田も「あれは、産めましたね」と同意しながら、「いまでこそ笑っていますが、号泣しましたもんね」とコメント。「その赤ちゃんが、4、5日前くらいに産まれた赤ちゃんで、『今日退院です』みたいなお母さんが協力してくださった。リアリティがすごかった」と振り返った。
川村監督が「その助産師さんは最初は指導で入っていた。あまりにもいいので、そのまま出演していただいた」と裏話を披露すると、菅田も「あれはお芝居ではできない」としみじみ。さらに長澤は「何回か産みました」とテイクを重ねたことを語り、菅田も「4人くらい産んだ」と二人で楽しそうな笑顔。新生児の温もりにも感動したという菅田は、「すごかったです!産まれたての体温、心臓も鳴り響きまくっている。その心臓だけでこっちも…」と述懐していたが、「本当はもうちょっと長く使ってほしかった」とカットされたシーンも多かったと恨み節をお見舞いし、川村監督を笑わせていた。
取材・文/成田おり枝