“少年役”初挑戦の杉咲花、悠木碧に感謝!「温かな声に、心が何度もギュッとなった」
今井哲也のSFジュブナイル漫画を劇場アニメ化した『ぼくらのよあけ』(10月21日公開)の完成披露試写会が9月12日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、声優を務めた杉咲花、悠木碧、朴ロ美、横澤夏子、主題歌を担当した三浦大知、黒川智之監督が登壇した。
「月刊アフタヌーン」で連載され、日本でもっとも長い歴史を誇るSF賞である星雲賞候補にもなった同名漫画を映画化した本作。西暦2049年の夏を舞台に、阿佐ヶ谷団地に住む小学校4年生の沢渡悠真と仲間たちが、沢渡家の人口知能搭載型家庭用オートボット“ナナコ”をハッキングした、未知なる存在を宇宙に帰すために奮闘する姿を描く。宇宙とロボットが大好きな主人公の悠真を演じた杉咲は、「悠真と一緒に冒険しているような気持ちになった。とても特別な体験だったなと感じています」と少年役を通して、たくさんのワクワクをもらったと語っていた。
悠真と、沢渡家の人口知能搭載型家庭用オートボット“ナナコ”の掛け合いも見どころだ。ナナコ役の悠木は「台本だけで読んだ時は、もっとハードな男子のイメージだった」と悠真について当初、感じていた印象を吐露。しかし杉咲の演じる悠真には「彼の優しさも見えるような場面がいっぱいあった」そうで、「アフレコをしながら、より好きになった」という。
悠木の言葉を聞いた杉咲は、「ありがとうございます。うれしいです」と感無量の面持ち。「不慣れな部分がたくさんあったので『大丈夫かな』と緊張していたんですが、悠木さんのとてもキュートで、温かいお声に何度も心がギュッとさせられた。台本で想像していた時以上に、豊かなところに連れていっていただけた感覚があります。ご一緒させていただけて、すごく幸せでした」と悠木に助けられたことを明かすと、悠木は「うれしい!ありがとうございます」と二人でお礼を言い合い、穏やかな笑顔を浮かべていた。
未知なる存在である“二月の黎明号”役の朴は、「難役だった」と告白した。「台本をいただく前に監督から『難役をお願いしています。覚悟しておいてください』というLINEが来た。台本を開いてみたら、難役どころじゃない」と苦笑い。「12000年かけて地球にやって来る、未知なる生命体をやらせていただけるなんてびっくりしましたが、とてもやりがいも感じられた」と声優冥利に尽きるような役どころだった様子。
主題歌「いつしか」を担当した三浦は、「この作品は宇宙というSFをテーマにしていながら、人と人とのつながりや、友情や絆など、人間らしいものが描かれている」と本作の魅力を分析。「温かさや大きさみたいなものが一つの音楽になって、この作品と共に楽しんでいただけるような曲になったらいいなと思いながら、歌いました」と曲に込めた想いを語る。
また初声優にチャレンジすると共に、本作の応援大使にも任命された横澤は、豪華キャスト陣との登壇に恐縮しきり。「子どもたちが、すごくキラキラワクワクしている。ワクワクしながら毎日を生きている。その子ども時代って、親のわたしたちにもあったよねと、これをきっかけに思い出していただきたい。親子の会話が増える作品」と熱っぽくアピールしていた。
取材・文/成田おり枝
※朴ロ美の「ロ」は、王偏に「路」