ダイアナ妃のドキュメンタリー映画イベントにデーブ・スペクターが登壇!「スター、マスコミ、ファンの関係を改めて考えるきっかけに」

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ダイアナ妃のドキュメンタリー映画イベントにデーブ・スペクターが登壇!「スター、マスコミ、ファンの関係を改めて考えるきっかけに」

1997年8月31日に36歳という若さでその生涯を終えたダイアナ元皇太子妃。いまなお世界中の多くの人々から愛され続けている彼女の人生をたどるドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』(9月30日公開)の試写会が9月21日に都内で開催され、上映前のトークイベントにデーブ・スペクターと海外セレブリティ誌「FRONTROW」編集長の大柳葵理絵が登壇。ダイアナ妃や先日崩御されたエリザベス女王など、英国王室にまつわるトークを繰り広げた。

【写真を見る】早すぎる死から25年…ダイアナ元皇太子妃の人生を、当時の貴重な映像でたどる
【写真を見る】早すぎる死から25年…ダイアナ元皇太子妃の人生を、当時の貴重な映像でたどる[c]Kent Gavin

現地時間9月19日に行われたばかりのエリザベス女王の国葬の話題から幕を開けた今回のイベント。スペクターは「綿密に何十年も前から計画されていたので非常にスムーズで完璧。古い伝統や習慣、王室のレガシーを上手く見せたと思います。英国は以前ほどの影響力がないと思っていましたが、あれだけの王族や首脳が出席して、まだ影響力が大きいと感じました。英国人のアイデンティティも心強くなったと思いますし、やはりさすがだなという感じがしました」と振り返る。

そしてエリザベス女王の功績について「二度と現れないであろうすばらしい人でした。時代の変動と共に70年も尽くしたわけですから」と称賛。また大柳も「あまりにも格式の高い国葬で驚かされました。各国のセレブリティもエリザベス女王には『会いたい』とおっしゃっていて、実際に会うと『あまりの気品の高さにびっくりした』という人も多かったのですが、改めて影響力のある人だったんだなと感じました」と語った。

私物の雑誌を持参しながら「当時にタイムスリップできる」と語ったデーブ・スペクター
私物の雑誌を持参しながら「当時にタイムスリップできる」と語ったデーブ・スペクター

トークイベントのためにデーブは、ダイアナ妃を扱った私物の雑誌を持参。婚約から結婚、出産、離婚にいたるまでメディアや世間のダイアナ妃に対する論調がいかに変わっていったかに触れながら「この映画を観ると、当時の映像でそれがよりわかると思います」と強調する。「ニュース映像や一般の人が撮った映像、資料をつないで見事に編集している。ありのまま、当時のままでつなげられているんです。なので観る側が判断できるようになっており、当時にタイムスリップできると思います」と本作のドキュメンタリー映画としての魅力を語る。


一方で大柳も「ダイアナ妃が王室に入る前の婚約当時の映像から見られるのですが、当時は19歳。はにかんだ笑顔のピュアな時から、20歳で結婚されて、公務をこなすにつれて気品やオーラをまとっていく、変化していく様子が見られるというのが、貴重な映像だなと思いました。個人的にはファッションも見応えがあって、ダイアナ妃は華やかな着こなし、伝説的なドレスの着こなしもありますが、それも映画に収められています」と見どころを挙げた。

25年前、ケンジントン宮殿は多くの人々が花をたむけ“花の海”と化した
25年前、ケンジントン宮殿は多くの人々が花をたむけ“花の海”と化した[c]Jeremy Sutton-Hibbert _ Alamy Stock Photo

そして2人は、ダイアナ妃が亡くなった25年前の喧騒を振り返る。「事故だったので、ニュースとしてまずびっくりしましたが、後々どうしてそれが起こったのかや陰謀説まで出てきた」と語るスペクターに、大柳も「当時私はまだ高校生でしたが、ケンジントン宮殿が花を捧げる人であふれかえって、“花の海”と報道されていましたよね。みんな人目をはばからずに泣き崩れる光景は、『イギリス始まって以来だ』と言われていたのを覚えています」と、改めてその存在の大きさを語った。

ダイアナ妃の死亡事故によって広く知られることになったのが“パパラッチ”の存在。スペクターは「ダイアナ妃を追いかけたのは、行儀の悪いパパラッチだけでなく普通のメディアもいた。実はそこにちゃんとルールがあって、言われているほど悪質ではなかったのです」と大衆の“知る権利”に応えようとする取材メディアに一定の理解を示す。すると大柳もセレブリティを扱う雑誌の編集長として、取材のあり方やメディアと取材対象の関係性についても言及。

海外セレブリティメディア「FRONTROW」編集長の大柳葵理絵
海外セレブリティメディア「FRONTROW」編集長の大柳葵理絵

「名声を得ることでプライバシーがなくなるというのは現在も続いている問題です。いまはSNSの普及によってセレブとマスコミ、ファンの関係性がとても近くなっています。著名人も一般の方からコメントが来ることで良いことも悪いこともあり、精神を病んでしまうセレブも後を絶ちません。著名人とマスコミとファンの関係はどの時代もセットになっていて、利害関係を築いていくけれど熱量が上がってコントロールができなくなった時にダイアナ妃のような事故が起きてしまう。この映画が公開されることで、個人もマスコミも考える機会になると思います」と、世界中が嘆き悲しんだ25年前の出来事が現代にも通じていることを説いた。

文/久保田 和馬

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