ジェームズ・グレイ監督最新作『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』公開日&シーン写真が解禁
アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンスら賞レース常連の名優たちに加え、『ジェントルメン』(19)、『シカゴ7裁判』(20)のジェレミー・ストロングら一流キャストが競演する『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』が5月12日(金)より公開されることが決定。あわせてシーン写真3点が解禁となった。
『エヴァの告白』(13)、『アド・アストラ』(19)など社会派からSFまで精力的に新作を世に送り出し続けるジェームズ・グレイが製作、監督、脚本を務め、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された本作。グレイ監督の実体験をもとにした自伝的物語となっており、1980年のニューヨークを舞台に、白人の中流家庭に生まれ育ち、公立学校に通う12歳のポール(バンクス・レペタ)とその家族の姿が描かれる。教育熱心でPTA会⻑も務める母エスター(アン・ハサウェイ)、働き者でユーモラスな父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、私立学校に通う優秀な兄テッド(ライアン・セル)と不自由なく過ごしているが、近ごろは家族に対して苛立ちと居心地の悪さを感じる毎日が続いた。ポールにとって、ただ一人の心を許せる理解者は祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)だった。想像力が豊かで芸術に興味を持つポールは学校の集団生活にうまく馴染めずにいたが、ある日、クラス一の問題児である黒人生徒であるジョニー(ジェイリン・ウェッブ)と打ち解け、友人となる。しかし、二人の起こした些細な悪さが、行く末を大きく分けることになる。
このたび解禁となったシーン写真はポールとその家族を映しだしたもの。大好きな祖父アーロンと公園で仲睦まじく寄り添うポールの姿のほか、母エスター、父アーヴィングの表情を切り取ったものなど、いずれもグレイ監督の少年時代の記憶を思い起こさせるような印象的なカットとなっている。故郷ニューヨークを舞台に『リトル・オデッサ』(95)、『裏切り者』(01)、『アンダーカヴァー』(08)、『トゥー・ラバーズ』(08)、『エヴァの告白』とこれまで5つの映画を撮ったグレイ監督が本作の舞台に選んだのは、彼が実際に育ったクイーンズ区フラッシングの2世帯住宅を思わせる⻑屋となっている。監督は、「ジャングルの映画も宇宙の映画も撮ったことがあるし、そういう経験が好きです。しかしある時点で、無限はある意味、自分の中にあると気づくんです。そして、自分の経験を直接、正直に表現することができれば、それが一番いい。そのために、もう一度自分自身の過去に立ち返ろうと思ったのです。そして、できる限り自分らしいものを作ろうと」と本作への想いを語っている。
豪華キャストが競演し、差別と格差が根付く1980年代のニューヨークを舞台に展開する本作では、どのようなドラマが描かれるのだろうか?世の中に折りあいをつけながら日々を営む人々の姿を、変わらぬ愛と変わりゆく自分を通して見つめるエモーショナルドラマに期待が高まる。
文/鈴木レイヤ