グザヴィエ・ドラン最新作「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」初映像となる予告編が解禁
グザヴィエ・ドランが初めて手掛けるテレビドラマ「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」が、「スターチャンネルEX」にて2月24日(金)に独占日本初配信、「BS10 スターチャンネル」でも3月6日(月)より放送される。本作より、本作の初映像となる予告編が解禁となった。
19歳で発表した長編デビュー作『マイ・マザー』(13)がカンヌ国際映画祭監督週間で上映されて以来、2014年に『Mommy/マミー』で審査員賞、2016年には『たかが世界の終わり』でグランプリを受賞するなど、同映画祭から高い評価を受けているドラン。彼が初めてテレビドラマに挑戦した本作は、ケベック州の郊外を舞台に、30年前に起きた事件に時を超えてかき乱される家族の姿を、過去と現在を行き来しながら緊迫感たっぷりに描く。それぞれが問題を抱える4人の兄妹とその家族で、ラストの15分まで展開が全く読めない究極のサスペンスである一方、ドランがいままで描き続けてきた家族の物語でもあり、キャラクターたちが事件に、お互いに、そして自分自身に向き合う姿を、緻密な構成で映しだしている。
待望の初映像となる予告編は、ラルーシュ家の末っ子エリオット(ドラン)のセラピーでの対話シーンから始まる。「今朝の気分は?」と聞かれ、すかさず顔を逸らし遠い目をするエリオットの様子から、どこからともなく物語の不穏さを匂わせている。過去、現在もなお抱える家族のトラウマ、苦悩がまるでフラッシュバックのように切り取られていく。一家の受け入れがたい過去とは、ロリエ・ゴドローとは誰なのか、“あの夜”に一体なにがあったのか?シリアスな音楽が物語の不穏さと緊迫感に拍車をかけ、サスペンスフルでありながらドラン特有の映像美が目に焼き付く、鮮烈な予告編となっている。
本年度サンダンス映画祭インディーエピソディック部門に見事選出され、1月21日に行われたインターナショナルプレミア上映でも好評を博し、本国カナダに次いで先日配信、放送がスタートしたフランスでも、地元有力紙に大絶賛されている。
ドランが“自身の200%をかけた”と語り、彼の作家性を凝縮したような濃密な5時間となる「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」。衣装、美術、音楽など、細部にまでこだわられたドランの最新作をぜひ堪能してほしい。
文/サンクレイオ翼