ゴールデングローブ賞、不景気を反映したG・クルーニー主演作が優勢

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ゴールデングローブ賞、不景気を反映したG・クルーニー主演作が優勢

12月に入り、アカデミー賞の前哨戦となる各映画賞が次々と発表されている。アメリカ現地時間15日(火)には、第67回ゴールデングローブ賞(以下GG賞)が発表され、賞レースが次第に温まってきた。

賞レース有力作の『マイレージ、マイライフ』(2010年3月20日日本公開)が、ジョージ・クルーニーの主演男優賞を含む6部門でノミネートされ、5部門ノミネートの『NINE』(ミュージカル部門。2010年3月19日日本公開)に数の上ではリード。ドラマ部門でもあるだけに、アカデミー賞に一歩近づいた。

『マイレージ・マイライフ』は、リストラの仕事で全米を出張しているうちに飛行機のマイレージを貯めることだけに生きがいを見出しはじめた男を描く、まさに不景気の時代を反映したタイムリーなドラマ。

作品賞(ドラマ部門)のダークホースは、ロサンゼルス、ニューヨーク、ボストンの各映画批評家協会賞を受賞しているイラク戦争をテーマにした『ハート・ロッカー』(2010年3月6日日本公開)だが、派手さを好むGG賞の最有力候補作は、やはり『マイレージ〜』だろう。

ここで注目されるのは、主演のクルーニー。このノミネートの結果を聞いて「いい火曜日になりそうだ!」と余裕のコメントをしているが、すでに全米映画評論委員 会賞やニューヨーク映画批評家協会賞で主演男優賞を受賞しており、他の候補者を数歩もリード。受賞も夢ではないが、ロサンゼルス映画批評家協会賞で主演男優賞を受賞しダークホースと言われている『Crazy Heart』(原題)のジェフ・ブリッジスの存在も気になるところ。

そして、ミュージカル・コメディ部門候補作品の最有力は、『シカゴ』(02)で同賞を受賞した経験を持つロブ・マーシャル監督作の『NINE』。有名豪華キャストに派手な演出はまさにGG賞好み。

だが、ジェニファー・アニストンやレニー・ゼルウィガーの恋人として有名になったブラッドリー・クーパー以外は無名キャストでありながら、空前のヒットとなった『The Hangover』(原題)も注目の的。こちらのヒットも、不況の時代にこそ“笑いを!”という前向きなアメリカ人的マインドの賜物であることから、王道ではないものの、侮れない存在になりそう。

例年に比べて突出した作品がないだけに、受賞日にはまさかのサプライズもありそうだ。【NY在住/JUNKO】

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