米国ではおなじみ!マシ・オカ以上の人気を誇る日本人俳優って?
自分が勤める会社を内部告発してしまったトンデモ男の実話を映画化したマット・デイモン主演のコメディー『インフォーマント!』(公開中)。本作には米国のバラエティー番組で司会を務め、いまや“知らない人はいない”とまで言われるほど有名な日本人俳優が出演しているって知ってた?
その俳優の名は神田瀧夢(かんだろむ)。『インフォーマント!』では日本の商社マン役(会社は味の素!)で登場する神田。そんな彼を一躍有名にしたのは、アメリカ3大ネットワークの1つ、ABCテレビで2008年、2009年と2シーズン(それぞれ1時間番組で、シーズン1は全7回、シーズン2は全8回)放送されたテレビ番組「I SURVIVED A JAPANESE GAME SHOW」だ。
同番組は、10人(シーズン2は12人)のアメリカ人が25万ドルの賞金を獲得するために、日本のゲームアトラクションを模した架空のゲーム番組に参加するというもの。神田はその番組の司会者を務め、親指、人差し指、中指の3本を下に向けて言う“本気(マジ)で”がキメポーズ。ちなみに架空のゲーム番組名も「本気で」だ。まるで「関口宏の東京フレンドパークII」や「風雲!たけし城」を彷彿とさせるユニークなゲームが、実際に日本のTOHOスタジオで撮影されており、ゲームを盛り上げるスタジオ観覧者には吉本興業の若手芸人たちもエキストラとして参加している。
いまや、全米テレビのゴールデンタイムで番組を持つ、初めての日本人司会者となった神田だが、そこまでの道のりは険しかったようだ。幼い頃から、ハリウッドで有名になりたいという夢を持っていた神田は、空手や剣道などの武道や、能や茶道といった日本の伝統文化と芸能を極めながら、俳優として、『その男、凶暴につき』(89)や『ソナチネ』(93)などの北野武監督作に出演。機が熟したと見るや、2006年にLAに移住するも、『ラスト サムライ』(03)のオーディションに落選。それを機に、大阪出身ならではの笑いのセンスを生かすべく、コメディーの道へ進んだのだ。
司会者として有名になった神田だが、もちろん俳優としての成功をあきらめたわけではない。LA在住の日本人監督と撮影した、蝶ネクタイの代わりに枝豆をつけた「MR.EDAMAME」、LAにやってきた大阪のヤクザの親分が巻き起こす珍騒動を描く「LA YAKUZA SERIES PILOT」といった短編を製作するなど、次なるステップへ確実に歩を進めている(どちらも公式サイトで公開中)。
まだまだ日本での知名度は低いものの、「HEROES」のマシ・オカを凌ぐブレイクが期待されるので、“本気で”のポーズとともに、彼の存在を覚えておいて損はないはず。【トライワークス】