赤楚衛二、『ゾン100』ゾンビのリアルさに驚愕「ゾンビって存在するんだと思った(笑)」
赤楚衛二主演のNetflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(8月3日配信開始)の《#ゾンフェス》と題した体験型上映イベントが8月1日に渋谷ストリームホールで開催され、赤楚をはじめ、白石麻衣、栁俊太郎、北村一輝、石田雄介監督が登壇した。
麻生羽呂原作、高田康太郎作画で月刊サンデーGXで連載中、アニメ放送や配信でも盛り上がりをみせている「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」を実写化した本作。ブラック企業で夢も希望も搾取され続けている主人公の天道輝(赤楚)が、ある日、街中の人間がゾンビになったことで「ゾンビになるまでにしたい100のこと」を仲間たちと考え、実行していくなかでポジティブさを取り戻していく姿を描く。この日は、3000名を超える応募から選ばれた70名がイベントに参加した。
赤楚は「天道輝は、ブラック企業に勤めて上司の小杉さん(北村一輝)にコテンパンにされて、ゾンビのように生きている。パンデミックが起こって、世界が180度変わるような人物です」と演じたキャラクターを紹介。「まっすぐで“人を助けたい”という想いが人一倍強い、優しいキャラクターです」と愛情を傾けつつ、ゾンビが出現してから明るくなるキャラクターであることから「一人だけぶっ飛んでます」と笑顔を見せていた。一方、パワハラ上司の小杉に扮した北村は「本当に嫌な人だと思います」と小杉を思いながら苦笑い。「麻衣ちゃんと恋愛するのかなとか思ったら、また来た、ほら。台本を見たらずっと(小杉は)怒っている。小さいし、意地汚い。いまの世の中、嫌なことがある人もいっぱいあると思う。小杉が隣にいたら、もっと嫌だと思う。ぜひ楽しんでいただけたら」と話し、周囲を笑わせていた。
演じるうえでは「あまりコメディ要素は意識していなかった」という赤楚。「シチュエーションがコメディみたいなところが多い。本人たちは一生懸命に生きているだけで、笑かしてやろうぜという気持ちはなく、純粋な気持ちで演じさせていただいた」という。するとケンチョ役の栁も「現場の雰囲気は、ひたすら真剣。外から見ると笑えるけれど、その場にいる本人たちは必死にゾンビから逃げることしか考えていなかった」とコメント。また赤楚がネタバレを気にしながら「ピーゾンビとピーするときに、ピーとなって、ピーすることしかできなかった」と展開を伏せながら語ると、周囲も大笑い。しかしヒロインの三日月閑(シズカ)を演じた白石は「サメゾンビと対決する時は、しっかり真面目に真剣に」と続き、赤楚は「言っていいのか」という驚いた表情を見せてさらに、会場の笑いを誘っていた。
現場では恐ろしいゾンビと対峙し、赤楚は「めちゃくちゃリアル。ゾンビって存在するんだと思いました(笑)」と感心しきり。石田監督がゾンビ役に熱心に演出している場面を目にしたそうで、「『眼球を動かすな』というオーダーからはじまり、意志がないから、転んでも手をつかないとか、意志を感じさせるものは一切排除するとか。そういうことをやっていた」と証言。北村は「むちゃくちゃ速い。運動神経のいい人ばかり。ダッシュで走る」とゾンビを演じたアクション部のスピード感に舌を巻いていた。
また映画の内容にちなみ、会場から集まった「モヤモヤとしていること、解放されたいことがある。どうしたらいいか?」という質問に答えるひと幕も。「私のことが大好きな10歳の娘。まとわりついてギューっとされる。うれしいけれど、そろそろ解放されたい」という質問に対する答えを求められた白石は、「私がママの立場だったら、うれしくなっちゃう。幸せ!ってなっちゃう。うらやましい」とにっこり。「どうしてもと言うならば、1日1回などルールを決めるとか。1日、ワンハグ。少しずつルールを決めたら、ちょっとはママにも自由があるかなと思います」とアイデアを練った。「在宅勤務が続いている。そろそろ会社に行きたい」との悩みには、赤楚が「逆転の発想」と切りだし、「おうちを会社風にしちゃえばいい。会社にあるデスクを買って、ベッドを捨てる。家が会社」と大胆な回答で会場を笑わせた。
最後には石田監督が「撮影中から完成に至るまで、輝に救われた。キャラクターに引っ張ってもらって、完成した」としみじみ。赤楚は「やっと公開される。うれしい」と喜びをかみ締め、「観終わった後に、すごく前向きな気持ちになれる。僕自身も勇気づけられた。エンタメの力ってすばらしいんだなと、今作を観て感じました。この作品に携わった皆さんと出会えて、本当によかったと心から思える作品です。この夏は『ゾン100』で楽しんでいただきたい」と心を込め、拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝