サンジ=タズ・スカイラーが語る、“足技”とコック修行の舞台裏「ここまで来たら限界までやるしかない」
尾田栄一郎の世界的人気コミックを実写ドラマ化したNetflixシリーズ「ONE PIECE」。8月31日に全世界で配信がスタートするや世界各国で視聴数No. 1を叩きだすなど話題が尽きないなか、MOVIE WALKER PRESSでは“麦わらの一味”を演じたキャストたち5人のインタビューをお届け。最終回は、サンジ役を演じたタズ・スカイラーだ!
スペイン出身のタズ・スカイラーは現在27歳。2015年ごろから短編作品を中心に俳優としてキャリアを積むと、戦争映画『キル・チーム』(19)で長編映画デビュー。その後『ボイリング・ポイント/沸騰』(21)やドラマシリーズ「ラザロ・プロジェクト 時を戻せ、世界を救え!」シーズン1の第1話と第6話にも出演し、メインキャストを務めた映画『Gassed Up』が今秋にイギリスでお披露目。ヨーロッパを代表する将来有望の若手俳優が、本作で一気に世界的なブレイクを果たす。
一流のコックであり、フォーマルな服装に身を包み、足技だけで敵と戦うのがサンジの持ち味。しかしスカイラーは「これまでランニングにサーフィン、スカイダイビングなど色々なことをやってきましたが、足を腰より上に上げることはどうしてもできなかった」と告白する。サンジを演じるために死に物狂いで特訓に励んだようだ。
「撮影の約4か月前から自主練を始め、1か月前になるとスタントチームとの本格的なトレーニングが始まりました。本当に長い道のりです。自分の足がもう限界を迎え、これ以上は無理だと思うこともりましたが、人間は行くところまで行き着くと『ここまで来たらもう戻れない。限界までやるしかない』という気になるんですね。とにかく全力でやってみることにしました」。
もう一つスカイラーが特訓したのは、コック役として必要な“包丁技”でもあった。「友人から、ジェイミー・オリヴァーのもとで修行した経験のあるシェフを紹介してもらい、コックとしての練習にも励みました」と、フィジカル面でのトレーニングの合間でシェフ修行にも取り組んでいたと明かす。
「レストランに3ヶ月通い、ひたすらタマネギのみじん切りの特訓をしたので、1ヶ月近くタマネギのにおいが染み付いて取れませんでした(笑)。タマネギを切る時のコツは、根元の方を傷つけないこと。そうすると涙が出ないで済むらしいんです。いまだにそれが本当なのかよくわからないんですが、特訓を始めてから3週間もそのことを教えてもらえなかったんです…」。
サンジ役を演じるためにあらゆる方向性からアプローチしたスカイラーは「みんなが応援してくれたおかげで、ベストを尽くして最高の経験をすることができました」と、改めて“麦わらの一味”となった喜びを噛み締める。早くも続編となるシーズン2の制作が決定するなど、その勢いは増すばかりの実写版「ONE PIECE」。まだ観ていないという人はいまのうちに、“麦わらの一味”と大冒険に繰りだそう!
文/久保田 和馬