鈴木伸之「あなそれ」と『東京喰種』は「大変だったけどやりがいがありました」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
鈴木伸之「あなそれ」と『東京喰種』は「大変だったけどやりがいがありました」

インタビュー

鈴木伸之「あなそれ」と『東京喰種』は「大変だったけどやりがいがありました」

石田スイの人気コミックを窪田正孝主演で実写映画化した『東京喰種 トーキョーグール』(7月29日公開)で、ダイナミックなアクションにトライした鈴木伸之にインタビュー。連ドラ「あなそれ」こと「あなたのことはそれほど」で演じたキャラクターとは打って変わり、本作では正義を貫く捜査官役を熱演している。この2作について鈴木は「大変だったけど、やりがいはありました」と過酷な撮影を振り返った。

「あなそれ」ではW不倫する役を演じ、一気にお茶の間での認知度がアップした。「あのドラマを見て僕のことを知ってくださったという方が本当に多かったです。僕はInstagramをやっていますが、一気に10万人くらいフォロワーが増えたので、テレビの力ってすごいと思いました。撮影は本当に大変で、夢にも(妻役の)仲里依紗さんが出てきたりして、めちゃくちゃ追い込まれていましたが(苦笑)」。

人を喰う怪人・喰種と人間との熾烈な戦いを描く『東京喰種 トーキョーグール』は、「あなそれ」の前に撮影された。主人公は喰種に襲われ、瀕死の状態で喰種の臓器を移植されたことにより半喰種となった大学生のカネキ(窪田正孝)。鈴木演じる亜門は、喰種を駆逐しようとする人間たちの組織CCGの喰種捜査官だ。

重そうな武器・クインケをもってカネキと戦った亜門。「あのアクションシーンは5日間、大森のビルで撮影したんですが、上に飛んだり横に転がったり、車にバンとぶつかったり、高いところに登ったりと、本当に大変でした。僕たちもきつかったですが、技術スタッフのみなさんの方が大変だったと思います。すごく高いところから照明を当てたり、どこから狙うんだろう?と思うような場所にカメラを設置して撮ったりしていたので。でも、できあがりを見たら素晴らしいものになっていたので良かったです。まさにみんなで作った作品です」。

鈴木にとってのモチベーションは「アクションをダサくしたくない」という思いだった。「現場は時間でどんどん進んでいくので。この一瞬でできるものをやっていこうという感じでした」。

亜門の上司でベテランである喰種捜査官・真戸呉緒(まどくれお)役の大泉洋は、銀髪姿で何とも不気味な存在感を発揮している。鈴木は大泉の真戸について「あの化粧や白髪頭は大泉さんだからこそしっくりきていました。大泉さんは見る作品ごとに顔が違うし、バラエティに出ても面白いし、改めて何でもできるすごい人だと思いました」と感心する。

「狂気じみたカットをバシッと決めたと思ったら、カットがかかった後に娘さんの話をすごい笑顔で話してくれることもあって。めちゃくちゃいいパパでもあるし、その切り替えがすごい。素敵な俳優さんだし、人間としても素敵な方だなと思いました。北海道では人間国宝みたいな感じらしいですよ。本当にスーパースターだと思いました」。

原作コミックで色濃く描かれている喰種たちの心の叫びや葛藤、苦悩は、スクリーンからもにじみ出ている。その切なさについて鈴木は「人間に比例するところが多々ある作品」だと読み取っている。

「正義とは何かというのは自分が信じるものによっても違うけど、きっとみんなが正義だと思うものを信じて生きている。たとえ意思疎通ができなくても何とかしたいと思うからこそぶつかっていくのかなと。そんなメッセージ性がすごく詰まっているし、いろんな角度から楽しめる作品になったと思います」。【取材・文/山崎伸子】

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