伊勢谷友介、初共演の若葉竜也は柔軟な役者!映画『ペナルティループ』現場での姿勢を「尊敬」
映画『ペナルティループ』の完成披露上映会が2月19日、新宿武蔵野館にて開催され、主演の若葉竜也、共演の伊勢谷友介、山下リオ、ジン・デヨン、荒木伸二監督が登壇した。
本作は荒木監督がオリジナル脚本で描くタイムループ・サスペンス。主人公が復讐のループを自ら選択する物語で、恋人を殺され自らの手で犯人への復讐を決意した青年、岩森を若葉が、岩森に繰り返し殺される男、溝口を伊勢谷が、岩森の恋人の唯を山下、そしてタイムループの謎を握るキーパーソンをデヨンが演じている。
脚本開発にも携わった若葉は脚本を読んだ時、「この本はなにを書いているんだろう」という感想を持ったそうで、「いままで触ったことのない手触り感があって、これを書いた人に会いたいなって思いました」と振り返る。荒木監督に会った際の感想は「すごく知的な人だなって。東大を出ていると聞いて。賢すぎて狂っちゃったって思いました。こんながいるんだなって(笑)」とニヤリとしながらも、自身が少しモヤモヤしていた時期に「メチャクチャな映画を作りませんかと言ってくれている同志がいてくれた」という気持ちにもなったとうれしそうに明かした。
本作が3年ぶりの俳優復帰作となる伊勢谷は、初共演の若葉について「柔軟な役者」という印象を持ったそう。「ひとつのものを作ろうとしているときに、役者同士って相手に相談することはほとんどなくて。共同作品なのにどういうことなのかと思うかもしれないけれど…」と話した伊勢谷は「だけど若葉くんは『どうやってやればいいんですかね?』って訊いてくる。(その姿勢を)尊敬しながら打ち解けていったし、信頼を持ちながら仕事ができました」と充実感を漂わせる。伊勢谷のコメントを聞いた若葉が「僕はそれがものを作るということだと思っているから、スタッフさんにも『どうしてこうやったのか』『どうしてこれを作ったのか』などいろいろ訊きます。それがものを作る責任だと思っています」と作品作りに対する自身の姿勢に触れる場面もあった。
荒木監督は「絶対面白くするぞ!」という思いで脚本を手がけたと振り返る。「同じことをやるのはつまらない。なるべく新しいことをやろうと思っていました」と語った荒木監督だが、本作のテーマは同じ日を繰り返すタイムループものだ。ループジャンルを選んだ理由については「前から興味がありました。ループジャンルでなにか一個超えてやるぞって。ただ飛び越えるのではなく、額縁をきちっとはめたなかでどれだけ新しいことができるのか…」に挑戦したと力を込めた。
本作はエストニア、ベラルーシなど東欧地域15か国での公開が決定している。「台本に着手した時からワールドワイドに展開することを見据えながら、監督やプロデューサーと密に話していました。(15か国上映で)とりあえず、達成かなと思っています」と目標を一つクリアしたといった様子でホッとした表情を見せていた。
荒木監督は「99分の乗り物を作ったと思っています。アームレストをしっかり握って99分の旅を楽しんでください。気に入ったらもう1回、2回と乗ってみてください」とリピート鑑賞をおすすめ。デヨンは「私にとってすごく大事な経験で、大事な作品になりました。みなさんも大事にしていただけたらうれしいです」と笑顔。山下は「みなさんが答えを作っていく、そういう作品になっていくんじゃないかな。反応も楽しみです!」と呼びかける。若葉は「これだけ娯楽が溢れかえった2024年という時代で、僕はなにを観たんだろうと思わせる作品を作ったと思っています」と胸を張り、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ