少年たちが一進一退の頭脳戦を迫真の演技で繰り広げる『ゴールド・ボーイ』など週末観るならこの3本!

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少年たちが一進一退の頭脳戦を迫真の演技で繰り広げる『ゴールド・ボーイ』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、殺人犯とその犯行を目撃した少年たちの攻防を描くクライムサスペンス、犬とともに生きた1人の男の壮絶な人生を描くバイオレンス・アクション、「eスポーツ」全国高校生大会に挑む男子高生たちの姿を実話に基づき描く青春映画の、ハラハラする3本。

衝撃の展開から幕を開ける…『ゴールド・ボーイ』(公開中)

【写真を見る】偶然殺人現場を目撃した朝陽たちは犯人を強請ることを思いつく(『ゴールド・ボーイ』)
【写真を見る】偶然殺人現場を目撃した朝陽たちは犯人を強請ることを思いつく(『ゴールド・ボーイ』)[c]2024 GOLD BOY

事業家の婿養子、東昇は、ある目的のために義父母を崖から突き落として殺害する。それは完全犯罪のはずだった。だが、海辺にいた3人の少年少女がその現場をビデオカメラで偶然撮影。彼らは貧しく、荒んだ家庭環境から抜けだすために、東を脅迫して大金を手にする計画を実行に移すが…。そんな衝撃の展開から幕を開ける本作は、中国の大ヒット配信ドラマ「バッド・キッズ 隠秘之罪」の原作でもあるズー・ジンチェンの小説「悪童たち」を、平成ガメラ3部作や「デスノート」シリーズの金子修介監督が舞台を沖縄に移して映画化したクライム・サスペンス。

『ドライブ・マイ・カー』(21)などの岡田将生が冷徹な殺人犯、東をクールに演じているのも見逃せないが、注目すべきは、少年たちを演じた朝陽役の羽村仁成(Go!Go!Kids)、星乃あんな、前出耀志がそんな彼と一進一退の頭脳戦を迫真の演技で緊張感たっぷりに繰り広げるところだ。特に両者がガチで激突するクライマックスの駆け引きは二転三転し、驚愕の結末を迎える。はたして、野望を実現させるのは東か?少年たちか?黒木華、松井玲奈、北村一輝、江口洋介らが脇を固め、重厚感も感じられる本作は最後の最後まで目が離せない!(映画ライター・イソガイマサト)

犬とともに生きた男の壮絶なる人生…『DOGMAN ドッグマン』(公開中)

実際の事件に着想を得たリュック・ベッソンが監督&脚本を手掛けた『DOGMAN ドッグマン』
実際の事件に着想を得たリュック・ベッソンが監督&脚本を手掛けた『DOGMAN ドッグマン』[c] Photo: Shanna Besson - 2023 – LBP – EuropaCorp – TF1 Films Production – All Rights Reserved.

『ニキータ』(91)、『レオン』(95)などで、裏社会で暮らす人々の姿を描く作品を手掛けてきたリュック・ベッソンの最新作。警察に止められた1台のワゴン車には、十数匹の犬を連れた、銃弾を受けて傷ついた女装をした足の不自由な男が乗っていた。翌朝、“ドッグマン”と呼ばれるその男の精神鑑定をすべく、彼の元に女性監察医が訪れる。彼女からの幼少期からの生育環境に対する質問に、ドッグマンは自身の半生を静かに語り始める…。父親から暴力を振るわれ、反抗的な言葉を口にした結果、虐待され、犬小屋で育てられた彼の心の拠り所は、ともに暮らしている犬たちだけだった。そんな彼が、どのように虐待から抜けだし、両足が不自由になり、女装のエンターテイナーとして活躍するようになったり、さらに裏社会に通じる人物になったのか?

犬がいたからこそ過酷な環境を生き抜くことができ、犬とともに生きる道を選んだ男による壮絶な人生が、彼のもう一つの心の支えとなった音楽=懐かしの漂うオールディーズナンバーに乗せて語られる。哀愁と孤独、しかし犬と音楽に救われる人生が明らかになるなか、壮絶ななかにも希望を見出そうとして生きる姿には、ある種の温かさを感じることができる。ホアキン・フェニックスが演じた『ジョーカー』(19)にも通じる、弱者の心の物語だが、その着地はまったく別の形であり、劇中で独自の美学を語りそれを貫いた彼の姿を彩るラストは、不思議な余韻と爽快感を残してくれる。(映画ライター・石井誠)

3種3様の存在感、好演が光る…『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』(公開中)

全国高校生eスポーツ大会を目指す3人組の青春を描く『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
全国高校生eスポーツ大会を目指す3人組の青春を描く『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』[c]2023映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会

本作は、日本初の「eスポーツ」を本格的に取り上げた映画という。徳島県に住む実在の男子学生をモデルに、eスポーツの全国大会出場を目指す彼ら3人の奮闘を描く青春映画だ。一人は一見チャラい金髪男子、一人はeスポーツが凄腕の秀才、一人はVチューバーオタク。3人それぞれのキャラが立っていて、ちぐはぐな会話をはじめ、いまどきのティーンの生活や空気感が楽しい。対照的な3人の、対照的な家族関係も興味深い。

後半の大会シーンは、eスポーツを知らない層でも思わずノレるハズ。それだけに惜しむらくは、寄せ集めの3人がどんな風に本気で夢中になっていくかの描写、ちぐはぐから次第に噛み合うようになっていく変化の描写などが、いまひとつもたついていること。そこがもう少し潔くテンポに乗れていたら、もっと後半に感動が跳ねたハズ。とはいえ若手3人、奥平大兼、鈴鹿央士、小倉史也の3種3様の存在感、彼らの好演が光る。監督は『まぶだち』(01)、『のぼる小寺さん』(20)の古厩智之。(映画ライター・折田千鶴子)


映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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