『かいじゅう〜』原作者とディズニーの意外な関係
全世界で2000万部を超えるベストセラー絵本を映画化した『かいじゅうたちのいるところ』がいよいよ1月15日(金)に公開を迎える。原作者は世界で最も尊敬される絵本作家のひとり、モーリス・センダックだ。
センダックは、ニューヨーク・ブルックリンの貧しい移民家庭に育った。病弱だったため家にこもり、外で遊ぶ子供たちをスケッチして過ごしていたという。そんな彼にとって唯一の楽しみが、家族とアニメ映画を見に行くこと。特にミッキー・マウスがお気に入りで、学校になじめず友達のいないモーリス少年にとって、ミッキーの存在はかけがえのないものだった。
実は、センダックとウォルト・ディズニーには、10代後半に美術学校の夜間部で学んだという共通点がある。さらにセンダックが生まれた1928年は、ミッキー・マウスが誕生した年でもあり、センダックはまさに“ミッキーと共に育った”というわけ。「かいじゅうたちのいるところ」の7年後に発表した絵本「まよなかのだいどころ」で主人公の男の子をミッキーと名付けていることからも、その絆の強さが垣間見える。
自伝の中で、影響を受けた人物としてウォルト・ディズニーを挙げているセンダック。彼の描く細密なタッチは、例えば手塚治虫などと比べると一見、ディズニーっぽくないように見えるが、その豊かな躍動感と想像力の源はディズニー作品だったのだ。映画を観る前に、ぜひ絵本の方もチェックしてみてはいかが?【Movie Walker】
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