キム・ソンホのサプライズ登壇にファン大熱狂!『貴公子』ジャパンプレミアレポート
「THE WITCH/魔女」シリーズのパク・フンジョン監督&製作チームが放つ韓国アクションノワール『貴公子』(4月12日公開)。本作の公開を記念し、4月8日に舞台挨拶つきジャパンプレミアが開催され、主演のキム・ソンホがサプライズ登壇した。
韓国ノワール界の巨匠と言われるフンジョン監督がメガホンをとり、ドラマ「海街チャチャチャ」でブレイクしたソンホが映画初出演にして初主演を務めた本作。フィリピンで病気の母のために地下格闘技で日銭を稼ぐ青年マルコ(カン・テジュ)。そんなある日、“父の使い“を名乗る男が現れ、マルコは韓国に向かうことに。飛行機のなかでマルコは、自らを“友だち(チング)“と呼ぶ謎の男“貴公子(ソンホ)“に出会う。不気味に笑う貴公子に恐怖し逃げるマルコだったが、貴公子の執拗な追跡と狂暴ぶりに次第に追い詰められてしまう。
公開を目前に控えた本作のジャパンプレミアが新宿ピカデリーにて行われた。MCより主人公の“貴公子“を演じたソンホがサプライズゲストとして呼び込まれると、会場は一気に熱狂ムードに包まれた。ファンの拍手と大歓声に迎えられ登壇すると、「貴公子役を演じました俳優のキム・ソンホです。お会いできて嬉しいです」と満面の笑みで挨拶。約1年ぶりの来日となるソンホは、「こうしてファンのみなさんにお会いできているこの時間が本当に楽しく幸せです。しかも、映画を通じてみなさんにお会いすることができて、この瞬間は感動でもあり、忘れられない時間になりそうです」とファンとの再会を喜んだ。
本作でスクリーンデビューにして映画初主演を務めたが、“映画の舞台挨拶”という形で日本のファンと触れ合うのも初めて。「こうした経験が多くないので、実はすごく緊張しています。みなさんの歓声と応援の声を聞いたことで、息ができているような心地です。ここに入ってくる前は、息ができずにいるような感じでした(苦笑)」と語り、改めて客席から拍手と歓声がわき起こると日本語で「ありがとうございます(笑)」と笑顔を見せた。
また、自身が演じた“貴公子”の役作りに関して「この役を演じることが決まって、パク・フンジョン監督とたくさん会話をして、キャラクターに関しての疑問をぶつけ続けました。『なぜマルコを追い続けるのか?』、『なぜこんな事件を起こすのか?』、『なぜずっと笑っているのか…?』――参考となる作品を観ながら、会話を重ねて作り上げていきました」と振り返る。特に貴公子が走るシーンに関して、MCから「まるでアーノルド・シュワルツェネッガーのようでした」と指摘されると、ソンホは「アハハハ」と笑いながら「(そうなったのは)本当にたまたまで、実際に走ってみて、なんとなく走り続けていくうちに、そちらのほうに寄っていった感じで、パク・フンジョン監督からも『ターミネーターみたいだね』と言われました(笑)、それからはより具体的にそちらに近づいていった気がします」と明かした。
共演陣に話が及ぶと「マルコ役のカン・テジュさんは、新人ですが天性のまなざしを持っている俳優さんです。まなざしでその人物がどんな事情や背景を抱えているのかを説得できるのが良い俳優だと私は思いますが、カン・テジュさんはまさにそんな俳優さんです」、さらに御曹司のハン理事を演じたベテラン俳優のキム・ガンウについては「パク・フンジョン監督からも『キム・ガンウの再発見だ!』と言われるくらい、見事な演技力で役を演じられていました。いつも撮影が終わると、その日のうちに編集した映像をみんなで見ていたんですが、非常に具体的で優れた演技を見せてくださって、私たち俳優陣はみんな『こんな俳優になりたい』という思いで、キム・ガンウさんの演技を目に焼き付けていました。ロールモデルといえる先輩です」と称賛のコメントを寄せた。さらに、謎めいた女性弁護士ユンジュを演じたコ・アラについても「本当に見事に役柄を表現していました。台本の隙間がなくなるほどびっしりと書き込んで、事前に準備をしており、そんな彼女の姿を見ていて、私のほうが年上ですが『彼女の努力を見習いたい』、『学びたい』と思わせてくれる同僚俳優でした」と称賛。
これまで数多くテレビシリーズに出演してきたソンホだが、「やはり映画はじっくりと時間をかけて撮ることができるのが魅力だと思います。1シーンに対して、そこにどんな意味があり、どう撮りたいかを会話を重ねて撮っていくことで、より愛情を注ぎ、考えを巡らせ、噛みしめながら撮ることができましたし、撮影が終わった後もその時間が思い返されます。私にとっては初めての経験であり、ひたすらワクワクと緊張の連続でもありました」と映画ならではの魅力について振り返る。
最後にこれから映画を観るファンに向け「みなさん、今日は貴重なお時間を割いて劇場に足を運んでくださりありがとうございました。この映画はキャスト、スタッフが懸命に幸せな気持ちで取り組んだ作品です。決して難しくなく、気軽に楽しめる作品です。特に最後には私のアクションシーンがあるので、そこはぜひ期待を寄せていただければと思います。“ノワール”と謳いつつも、愉快な作品ですのでシリアスに構えず気軽に楽しんでください。ありがとうございます」と呼びかけ、プレミアイベントは幕を閉じた。
また、4月12日よりソンホが着用した劇中衣装展の開催も決定。会場は、東京の丸の内ピカデリーと大阪のなんばパークスシネマの2会場。ソンホがフンジョン監督をゼロから作り上げた“貴公子“像を演じるうえで、欠かせないアイテムとなったスーツを見ることのできる貴重な機会となっている。
いよいよ公開を間近に控えた本作。主演のソンホが監督のフンジョンとの会話のなかで作り上げた、謎めく“貴公子“の活躍をぜひスクリーンで目撃してほしい。
文/サンクレイオ翼