ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の違いって?

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ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の違いって?

昨年12月から映画界の本格的な賞レース・シーズンに突入! しかし数ある賞の中で、世間からダントツに注目度が高いのが、ゴールデングローブ賞(以下GG賞)とアカデミー賞だ。この映画界の双璧ともいえる2つの賞、一体何が違うのだろうか?

今回で67回目を迎えるGG賞は、1944年から開催されており、ハリウッド在住の外国人記者(「ハリウッド外国人映画記者協会」に所属する会員約100人)の投票によって選ばれる、映画部門とテレビ部門に与えられる賞。

一方、1929年からスタートしたアカデミー賞は、82回目を迎え、アカデミー会員(「映画芸術科学アカデミー」に所属する会員約6000人)の投票によって選ばれる映画部門の賞。アカデミー賞の受賞者に与えられるオスカー像にちなんで、受賞者はときに“オスカー監督”や“オスカー俳優”とも呼ばれている。一連の映画賞レースの締めくくりとも言え、映画界の最高峰として称えられている。

一般的に、GG賞がエンターテインメント性や華やかさを重視する傾向にあるのに対し、アカデミー賞は、芸術性の高いドラマを好むと考えられている。どちらの賞も、前年1年間に公開された作品が対象となる。ここではふたつの賞の大きな違いを2つ挙げてみたい。

第1に、アカデミー賞には映画部門しかないが、GG賞にはテレビ部門があること。さらに映画部門の作品賞、主演男優および主演女優賞の3賞が、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分かれているのが特徴で、通常この部門は、ノミネート数がアカデミー賞の2倍になる。一方のアカデミー賞は、部門が分かれておらず、過去のデータから見るとノミネートはGG賞の双方の部門の中から選ばれるケースが多く、GG賞がアカデミー賞の前哨戦と言われている。

そして第2に、作品を選ぶ上で大きな影響を及ぼす、会員数とその構成。GG賞の会員数は約100人で、アカデミー会員約6000人の約60分の1。さらにGG賞の会員は、アメリカ映画を各国に発信しているハリウッド在住の外国人記者であるのに対し、アカデミー会員は、監督、俳優ほかアメリカの映画界に携わる人たちで、その多くがアメリカ人で構成されているという点だ。

アメリカ外の視点から、アメリカ映画や外国映画を見るのと、国内の視点でアメリカ映画や外国映画を評価することは、ある程度の違いが生まれるのは当然のこと。またGG賞で、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門でダブル・ノミネートされると票が割れる場合が多いことや、一方でアカデミー会員は人数が膨大なため、特に、突出した作品や俳優がいない場合は票が分散されることも手伝って、双方の違いを生む結果に。

しかし、アカデミー賞の投票締め切り日より前にGG賞が発表されることもあって、近年はGG賞とアカデミー賞の受賞作品および受賞者が重複するケースも多くなっている。また、今年からアカデミー賞は、作品賞のノミネート枠を例年の5作品から10作品に増やしており、ますますダブりが多くなると予想されている。混戦模様の今年は結果が予想しにくいだけに、結果発表が待ち遠しい。(第67回ゴールデングローブ賞の授賞式は1月17日。第82回アカデミー賞は、2月2日にノミネートが発表され、3月7日に授賞式が行われる予定。※日程はすべて現地時間)【NY在住/JUNKO】

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