『ゴジラxコング 新たなる帝国』が北米V2達成!全世界興収3億6000万ドルを突破し、2024年公開作トップ5入り

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『ゴジラxコング 新たなる帝国』が北米V2達成!全世界興収3億6000万ドルを突破し、2024年公開作トップ5入り

先週末(4月5日から7日)の北米興収ランキングは、前週にオープニング興収8000万ドルを記録する好スタートを飾った『ゴジラxコング 新たなる帝国』(4月26日日本公開)が2週連続でナンバーワンを獲得した。3月はビッグタイトルが次々と公開されて毎週にぎわいをみせ、月間興収はコロナ禍前に匹敵する数字に回復。しかし、4月第1週の全体興収は8500万ドルほどと落ち着き気味であり、このまま再び閑散期に突入してしまうのか少々気がかりなところだ。

モンスターヴァース歴代2位の北米興収も見えてきた!
モンスターヴァース歴代2位の北米興収も見えてきた![c]Everett Collection/AFLO

『ゴジラxコング 新たなる帝国』の公開2週目末の3日間興収は3120万ドルと、前週比39%の大幅なダウン。公開7日目の木曜日に累計興収1億ドルの大台を突破したものの、週末以降は大きな下落に見舞われている。それでも北米累計興収はすでに1億4000万ドルを突破し、『キングコング:髑髏島の巨神』(17)の最終興収をすでに射程圏内に収めた模様。また全世界興収では3億6000万ドルを超え、2024年公開作のトップ5入りを果たしている(上位は『デューン 砂の惑星PART2』と中国映画の『YOLO』『Pegasus2』、そして『Kang Fu Panda4』)。

危うく2位以下の作品がすべて1000万ドルを下回る興収になる1か月ぶりの事態に陥りそうだったところ、なんとか1011万ドルの興収をあげて2位に初登場を果たしたのは、デヴ・パテルが監督・脚本・主演・製作を務めた『Monkey Man』。インド神話をモチーフに、パテル演じる地下格闘技選手のキッドが幼い頃に殺された母親の復讐のために悪に立ち向かっていく姿を描いたアクションスリラーだ。

当初はNetflixが権利を獲得したものの、ジョーダン・ピールに認められ、後押しを受けてユニバーサル配給での劇場公開にシフトチェンジ。先月行われたサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でも観客賞を獲得するなど大反響を呼び、批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家からの好意的評価の割合が89%、観客からのそれも83%と高い数字をマーク。興行的にも批評的にも上々な長編監督デビューを飾ったパテルは、今後ピールのように兼業監督として活躍していくのだろうか。

一方同じく3000館超の拡大公開を迎えた『オーメン:ザ・ファースト』(日本公開中)は4位スタートに。初日から3日間の興収は835万ドルと、18年前のリブート版『オーメン』(06)の初日(火曜日)興収のおよそ3分の2しかあげられないよもやの滑り出しとなった。それでも「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は80%と、同シリーズでは“レジェンド・オブ・ホラー”と称される第1作の85%に次ぐ堅調な評価を獲得。あとはこれが興行に結びついてくれればいいのだが。

【写真を見る】オリヴィア・コールマンとジュシー・バックリー共演のブラックコメディが大躍進!
【写真を見る】オリヴィア・コールマンとジュシー・バックリー共演のブラックコメディが大躍進![c]Everett Collection/AFLO

前週から一気に上映館数を拡大し、26位から10位まで急上昇を遂げた『Wicked Little Letters』も注目の一本として取り上げておきたい。『世界一キライなあなたに』(16)や『ゴリラのアイヴァン』(20)のテア・シャーロック監督がメガホンをとり、オリヴィア・コールマンとジュシー・バックリーが共演した本作は、イギリスの海辺の町の住民たちに届けられた匿名の怪文書をめぐって繰り広げられる、実話に基づくミステリーコメディとなっている。


「Deadline」の報道によれば、観客の6割が女性で30歳以上が中心。興味深いのは大都市圏のみならず北米の小規模市場でも人気が高いようで、口コミでじわじわと話題が広がっているようだ。こちらも「ロッテン・トマト」での評価を見てみると、批評家からの好意的評価の割合は80%、観客からのそれは90%となかなかのもの。昨年末以降、軽妙なコメディ映画が相次いで安定した成績を収めており、本作もスマッシュヒットを見込めそう。反響次第では来年の賞レースにも名乗りをあげてくるかもしれない。


文/久保田 和馬

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