腹黒い老人が教える“同情を断ち切る3つの方法”とは?『オールド・フォックス 11歳の選択』本編映像チラ見せ|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
腹黒い老人が教える“同情を断ち切る3つの方法”とは?『オールド・フォックス 11歳の選択』本編映像チラ見せ

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腹黒い老人が教える“同情を断ち切る3つの方法”とは?『オールド・フォックス 11歳の選択』本編映像チラ見せ

6月14日(金)より公開される台湾、日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』から優しい父親に育てられた11歳の少年が初めて出会った腹黒い大人から“人の同情を断ち切る3つの方法”を学ぶ本編シーンが解禁された。

本作はホウ・シャオシェンがプロデュースを手がけ、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐシャオ・ヤーチュエンが監督を務めるヒューマンドラマ。バブル期の到来を迎えた台湾。11歳のリャオジエ(バイ・ルンイン)は、父(リウ・グァンティン)と2人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャ(アキオ・チェン)。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。リャオジエは、異なる価値観を持つ父とシャの間で心が揺らいでいく。

『悲情城市』(90)でヴェネツィア国際映画祭グランプリ、『黒衣の刺客』(15)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。小津安二郎への敬愛から『珈琲時光』(04)を製作し、2023年10月には引退を発表した侯。そんな侯監督作品の助監督を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐヤーチュエンが監督を務めた本作。これまでのヤーチュエン監督作全てのプロデュースを侯が務めており、本作が最後のプロデュース作となる。2023年の第60回台北金馬映画祭で監督賞、最優秀助演男優賞(アキオ・チェン)、最優秀映画音楽賞、衣装デザイン賞の4冠を達成。5月16日に発表された、2024台北電影奨では、本作が10部門でノミネートされた。

主演のリャオジエには『Mr Long/ミスター・ロン』(17)などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では“神童”と呼ばれている天才子役ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』(21)のグァンティンがダブル主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じている。リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ(オールド・フォックス)”と呼ばれる地主のシャ役には、本作で台北金馬映画祭最優秀助演男優賞に輝いた台湾の名バイプレーヤー、アキオ・チェン。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』(18)のユージェニー・リウ。そして、門脇麦が経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演をはたしている。

このたび解禁されたのは、心優しい父と慎ましやかな生活を送っていた11歳のリャオジエが自身の住むアパートの大家であるシャの家に遊びに来たシーン。地元の有力者で周りからは恐れられているシャだが、まだリャオジエには彼の怖さは通用しない。シャは幼い頃の自分とリャオジエを重ね、世の中の不平等に憤るリャオジエに世の不条理、生きることの厳しさを教えるのだった。リャオジエは父とともに店付きの家を買うことを夢見ていて、シャに家を売ってほしいと食い下がる。しかしシャは、それはリャオジエではなく父親の問題だと突き放す。そこでシャが幼いリャオジエに教えたのは“人の同情を断ち切る3つの方法”。「ステップは3つ。1つ、氷水を飲む。2つ、目を閉じる。3つ、“知ったこっちゃない”と思え」と語るシャの言葉をリャオジエはただ一点を見つめながら黙って聞くのだった…。


人生の選択肢を知って成長していく少年の姿を見つめる本作。シャとの出会いがリャオジエにどんな変化をもたらすのか、その結末はぜひスクリーンで確認してほしい。

文/スズキヒロシ

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