不穏で予測不可能な“ランティモスワールド!『憐れみの3章』本予告&本ビジュアル
第80回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、第96回アカデミー賞でエマ・ストーンの主演女優賞ほか4部門に輝いた『哀れなるものたち』(公開中)。本作のヨルゴス・ランティモス監督とストーンとの最強タッグが贈る最新作『憐れみの3章』が9月27日(金)より全国公開となる。このたび衝撃と興奮に導かれる本作の本予告と本ビジュアルが解禁された。
ランティモス監督のもとには、前作『哀れなるものたち』で壮麗で芸術的な唯一無二の世界をともに作り上げたストーンをはじめ、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結。さらに、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーといった、折り紙つきの実力者が勢ぞろいした。共同脚本には、『籠の中の乙女』(09)、『ロブスター』(16)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17)のエフティミス・フィリップとの最強タッグが復活し、ユーモラスでありながらも時に不穏で予想不可能な、独創的世界を描き出す。
先日開催された第77回カンヌ国際映画祭では、ジェシー・プレモンスが男優賞を受賞し、カンヌでの無敗記録を更新したランティモス監督だが、未知の衝撃と映画体験を送り続ける監督渾身の最新作に早くも注目が集まっている。
解禁されたのは、謎に満ちた本作の世界観をさらにひも解く本予告映像だ。本作では、3つの物語のなかで、同じキャストがそれぞれ異なるキャラクターを演じている。スポーツカーを走らせ、「見つかった」と笑顔のストーンから始まる本映像では、病室で遺体を目の前に、なにかを始めようとするハンター・シェイファーや、ウィレム・デフォーとホン・チャウの行う怪しげな儀式にストーンやプレモンスが参加している場面、続いて「俺たちに危険が迫ってる」というプレモンスの台詞とともに、どこか不穏さを感じさせる映像がフラッシュカットで映しだされていく。
本作はそれぞれ独立した物語から構成されているが、“愛”や“支配”といった共通のテーマが存在し、それらがランティモス監督のただならぬ独創性によって大胆不敵に描き出されている。3つの物語でストーンはシンプルなスーツスタイルで儀式を見守る姿や、ゴージャスなミニワンピースを身に着ける妖艶な姿を見せ、プレモンスは、ある場面ではデフォーへ愛を告げ、別の場面ではストーンに警官のこん棒で殴られるなど、それぞれに異なる姿を見せている。果たして彼らはどのようなキャラクターで本作の物語を描き出すのか。俳優陣の見事な演じ分けにも注目だ。映像の最後には、ドライブを楽しんでいる…“犬たち”の姿も。いまだ謎多き映像の数々に、ますます期待の高まる本予告となっている。
あわせて到着した本ポスタービジュアルは、それぞれのキャラクターを捉えたカット…と思いきや、自らの顔を“マスク(仮面)”に仕立てた、斬新すぎるデザインだ。ポスターには、想像を絶する本作の物語を捉えた「脳をかき乱す傑作」「心底、痛快」という映評が添えられ、見る者に未体験の衝撃をもたらす、前例なきランティモスワールド到来を感じさせるビジュアルとなっている。
『女王陛下のお気に入り』(18)、『哀れなるものたち』に続き、予測不可能な独創的世界観を描き出すランティモス監督による唯一無二の衝撃作の続報を今後も追っていきたい。
文/山崎伸子