細田佳央太、岩明均による怪作を実写化した「七夕の国」に自信!「実写化するにはこれ以上ないだろうという映像ができた」
ディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」の「スター」で独占配信されるオリジナルドラマシリーズ「七夕の国」の配信直前特別試写イベントが7月3日に室町三井ホール&カンファレンスで開催され、細田佳央太、藤野涼子、上杉柊平、木竜麻生、金田哲、三上博史、瀧悠輔監督が登壇した。
原作は、「寄生獣」や「ヒストリエ」などで人気を博す岩明均が、1996年から1999 年にかけて小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて不定期連載したSF漫画。岩明の作品の中でもカルト的人気を誇り、その壮大なスケールと刺激的な表現から「映像化不可能」と言われ続けていた“怪作”の実写化が実現した。ある日突然、街や人が“球体”にまるくエグられ消失する怪奇事件が発生。物に触れず小さな穴をあけるという役に立たない超能力”を持つ平凡な大学生の南丸(通称:ナン丸)が、ひょんなことから怪奇事件の解明に巻き込まれる姿を描く。
いよいよ配信を明日に控え、主人公のナン丸を演じた細田は「めちゃくちゃ楽しみです!」と興奮しきり。「作品が世に出る時は緊張や不安が混じるものなんですが、『七夕の国』に関しては『もう大丈夫だろう』と勝手に思ってしまうくらい。いまから皆様に届くことが楽しみ」と並々ならぬ自信をのぞかせ、「とある日から人や物がエグれるという怪奇事件から始まって、『なぜそんな事件が起きたのか』『原因となっている球体はなんなのか』と解き明かしていくミステリー作品。皆さんにとって、ミステリーにどんどん飲み込まれていく日が明日になるのかと思うとすごく楽しみです」と熱っぽく語った。
カルト的な人気を誇る原作を実写化した瀧監督は、「プレッシャーしかない。何十年も読んできた作品。いまもドキドキしています」と苦笑い。「原作が好きだというのもあるんですが、映像化にあたって、原作が持つ独特の空気感、間合いみたいなものを抽出しないといけないなと思っていました」と原作ファンとしてのこだわりを明かし、「最高傑作です」と力強くアピールした。
“丸神の里”で失踪した大学教授の丸神正美役を演じた三上は、久々のドラマ出演となった。出演を決めた理由について、「こういうの好きなんですよね」とニヤリとした三上は、「現実をぶっ飛ばすやつ。こういうところに、登場人物としてぜひ参加したいと思った。ちょっと不思議な役なので、多くは語れません」とネタバレを気にしながら、「最後、大変だったね」と細田とクライマックスの撮影を回顧。細田も「大変でしたね」とうなずき、「そのワンシーンを撮るのに3日かかりました。朝から夜までスタジオにこもり切りでした」と三上と労い合っていた。
その他の面々も、個性豊かなキャラクターを鮮やかに演じている。ナン丸を気に掛ける東丸幸子役を演じた藤野は、初めてのワイヤーアクションに挑戦したという。「ワイヤーアクションは、こんなに筋肉痛になるんだと。こんなに筋肉を使うんだと思いました。精神面、体力面でも大変でしたが、撮影はとても楽しかった」と充実の表情。幸子の兄である東丸高志役の上杉は「自分の卑屈さの吐きだし方を、ずっと間違い続けている男。さみしくて、悲しい男」と演じたキャラクターを紹介。ナン丸の通う大学で講師を務める江見早百合役の木竜は「後半にバーッと謎が回収されるリズム感が魅力」と話し、高志の力を利用して怪しげなセミナーを開く八木原昭役の金田は「普通に演じたら、うさんくさくなった」とハマり役になった様子。ステージでも和気あいあいとトークを繰り広げていたメンバーだが、それぞれが「撮影が楽しかった」と振り返るなど、壮絶なミステリー作品でありながらいい空気感のなかで撮影が進んだと声を弾ませていた。
またこの日は、球体の力で日本中を恐怖に包む謎の男、丸神頼之役を演じた山田孝之から「ささやかながら、サプライズプレゼントを届けさせたもらおうと思う」というスペシャルコメントと共に、巨大な球体が到着する場面もあった。瀧監督は「山田孝之さんにしかできない、丸神頼之になっている」と山田の演技に惚れ惚れ。頼之は顔を隠した状態で登場するキャラクターとなり、細田も「みんなで『すごいですよね』と言っていた。あれだけ顔が見えないなかで、一緒にお芝居をさせてもらっている側としても、感情の些細な変化や機微を感じた。むちゃくちゃ刺激を受けた」と俳優としても貴重な経験を果たしたという。最後に細田は「映像制作の第一線を走っているディズニープラスで、ステキなスタッフ、キャストの皆さんが集まって、『七夕の国』を実写化するにはこれ以上ないだろうという映像ができた。この超常ミステリーを全身で感じていただいて、観終わった後に一歩引いてみて、皆さんがなにを感じるのか楽しみにしています」と期待を込めていた。
「七夕の国」は、7月4日(木)よりディズニープラスで独占配信
取材・文/成田おり枝