「テーマは人間性」エマ・ストーン、ヨルゴス・ランティモス監督らが語る『憐れみの3章』の独創的な世界とは?
『女王陛下のお気に入り』(18)、『哀れなるものたち』(23)のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがまたもやタッグを組み、第77回カンヌ国際映画祭でジェシー・プレモンスが男優賞を受賞した『憐れみの3章』(9月27日公開)。日本公開まで1ヶ月を切った本作から、このたびランティモス監督と豪華キャスト陣が“ランティモス・ワールド”を語り尽くす特別映像が解禁された。
“自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男”、“海難事故で失踪した妻が、帰還後に別人になっていた夫”、そして“卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女”という、3つの奇想天外なストーリーによって構成された本作。ストーンやプレモンスをはじめ、ウィレム・デフォーやマーガレット・クアリー、ホン・チャウといったキャスト陣は、それぞれ異なる3つのストーリーで異なる3つの役柄を演じている。
解禁された映像のなかでランティモス監督は「この映画の形式は過去の作品と違っている。3話構成にしたらおもしろそうだと思った。短編集のイメージだ」と、自身初の試みとなるアンソロジーに挑んだ理由を説明すると、本作のテーマについて「アイデンティティや信仰心…。テーマは人間性だ」と明かす。また、ストーンが「私の役に一貫するのは愛や容認、支配されたい心と自由を求める心です」と、自身が演じた3つの異なる役柄に共通している点を解説していく。
さらにランティモス監督と初タッグとなったプレモンスは「いい意味で、期待していたものとは違ったものでした。彼の映画のなかにはとてもコントロールされているように見えるものもありますが、この作品はもっと実験的な感じがして、遊び心にあふれています」と本作の魅力に言及。他のキャスト陣も次々と鬼才ランティモス監督が放つ独創性あふれる本作に太鼓判をおす。はたして彼らは、どのように3つの異なる役柄を演じ切ったのか。未知なる衝撃が待ち受ける本作を、是非とも劇場で体験してほしい。
文/久保田 和馬