浅倉秋成による大ヒット小説を映画化した映画『六人の嘘つきな大学生』(公開中)の初日舞台挨拶が11月22日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、主演の浜辺美波、共演の赤楚衛二、佐野勇斗、山下美月、倉悠貴、西垣匠、佐藤祐市監督が登壇した。
就職活動を舞台に、六人の大学生の裏の顔が巧みに暴かれていく“密室サスペンス”要素と、明らかになった六人の「嘘」と「罪」の真相が次々と伏線回収される“青春ミステリー”要素を掛け合わせた物語が展開する本作。映画公開までネタバレ厳禁で工夫を凝らしながら、キャスト陣が作品のPRをしてきた。いよいよ公開を迎え、上映後の舞台挨拶となったこの日は、“核心に触れない程度であれば”という注意付きで映画のおすすめポイントなどを語れることになったが、赤楚がうっかり(?)暴走。開始早々、共演陣から「言っちゃってる(笑)」「それは言っちゃダメ」などと、速攻で止められる場面もあったが、「書けないですよね、すみません!」と取材陣にお詫びをする赤楚に、観客は大爆笑だった。
演じていて楽しかったのは「会議室のシーン」と話した浜辺。劇中の大学生六人同様、演じる身としても「追い詰められていくような感覚があった」とし、そのシーンに持っていく感情については「試行錯誤していました」と明かしながらも、やりがいがあったとも語っていた。さらに、犯人については「ここで犯行を決心する」という表情や目に気づくと、より映画を楽しめるとし「何度観ても面白いと思います!」と結末を知った上でのリピート鑑賞もおすすめとしていた。
山下は舞台挨拶以外はなかなか六人全員が揃うことはなかったことを残念に思いつつも、「いまを忙しく生きているキャストです」と人気者が勢揃いした作品だとニッコリ。撮影後は全員が揃って会う機会はなかなかなかったというが、「心の支えでした。心が折れそうになった時も、みんな頑張ってるしって思える。みんなの顔が浮かぶ。自分のなかで絆が芽生えたなと思っています」と充実感を滲ませた山下は「作品に出てくる絆は嘘じゃないんだよというのを含めて観てほしいです!」と“嘘”がテーマの本作で芽生えたキャスト同士の絆は特別で、本物だったと語り、他のメンバーから「いい話!」と拍手も送られていた。
西垣は番宣期間は「みんなと一緒にお仕事をするのが楽しかったです」と笑顔に。しかし「前回会った時に、(佐野)勇斗が『さびしいね』と言っていて。僕もちょっとだけそう感じているけれど、関係性は続いていくと思います」と絆を強調。すると佐野が「でも、(赤楚)衛二からは『もう会わないよね』と言われた」と暴露。赤楚が爆笑していると、西垣は「じゃあ、今日でバイバイ!」とあっさり挨拶し笑いを誘いつつ、「いろいろなものが詰まった作品なので、多くの人に届けばいいなと思っています!」とアピールもしっかり忘れなかった。
「原作が相当面白かったので、どう映像化するのかは悩みました」と明かした佐藤監督は、「原作と結末が違いますが、原作者が褒めてくれたのがうれしかったです」と微笑み、「なにより、短い期間でしたが、六人が仲良くなり絆が深まったのがうれしいです」としみじみ。山下の絆の話には「半泣きです!」としっとりさせたように思えた瞬間、「嘘です!」と訂正し、『六嘘』らしい、嘘も交えたトークで盛り上げた。
イベントでは作品にちなみ、スタッフしか知らない6人の〝裏の顔〟を暴露するコーナーをサプライズで実施するコーナーも。社用車にぬいぐるみを増やし続けていると告発された浜辺は「癒されるので…」と照れ笑い。自宅のベッドルームにはカワウソのぬいぐるみが10匹もいるそうで、「メンタルのコントロールにいいんです。かわいいので、見ると機嫌がよくなります!」と、ぬいぐるみを置いている理由を解説し、「おすすめのお店、後で教えます!」とキャスト陣に伝え、イベントを和ませた後、最後の挨拶で「ネタバレはなしで”嘘をつきつつ”宣伝してください」とニヤリとしながら締めくくった。
取材・文/タナカシノブ