宮崎あおいが『ソラニン』舞台挨拶で悩める今を激白
宮崎あおい主演で、人気青春コミックを映画化した『ソラニン』(4月3日公開)がついに完成。1月28日に有楽町の朝日ホールで行われた完成披露舞台挨拶で、宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太、近藤洋一(サンボマスター)、三木孝浩監督が登壇。宮崎は悩めるヒロインの気持ちが今なら分かると意味深なコメントをした。
次世代作家・浅野いにおによる原作コミックは、不透明な未来に不安を抱きつつも、寄り添って生きていく若者たちを生き生きと描いた青春ラブストーリー。宮崎は、ヒロイン・井上芽衣子役を演じた感想をこう語った。
「演じている時は、やりたいことがあって、前に進めない気持ちが分からなかったけど、最近やっと分かるようになってきました。やりたいけど、自分ができること、できないことが見えてくる中で、立ち止まったり悩んだりすることが多くなってきたので。でも、大人の人たちは、そういうものを乗り越えていったのかなあと」。絶好調の国民的女優・宮崎の口から、そんな発言が出るとは意外。
とはいえ、本作ではギターと歌に初挑戦し、手応えは十分感じたようだ。「歌はすごく苦手で、人前で歌うなんてありえないと思っていたけど、先生にマンツーマンで教えてもらって、初めてみんなで合わせた時は、大丈夫だと思いました!」と、力強くコメント。
バンドのメンバーを演じた他の役者陣も大奮闘。高良が「(練習をしすぎて)腱鞘炎になりました」と語ると、桐谷も「音楽が楽しすぎて、自分ひとりでスタジオに30回くらい入って練習しました。体は疲れてたけど、まったく苦にならなかったです」と、ストイックな練習ぶりをアピール。唯一、その道のプロフェッショナルであるバンド・サンボマスターのベース、近藤洋一も「それぞれ個性がありました。みんなと一緒にバンドをやって、楽しい毎日でした」と満足げに語った。
また、メガホンをとった三木監督も「最初のリハーサルをやった時にグルーブ感を感じたのは奇跡的なこと」と、4人の演奏を絶賛。確かに劇中のライブシーンは、心に響く熱いものに仕上がった。
今を生きる若者たちのナイーブな心のあやを繊細に体現した宮崎たち。観終わった後、芽衣子たちの青春ドラマと共に、彼女らのバンドが奏でるナンバーもきっと琴線をふるわせるに違いない。【MovieWalker/山崎伸子】