『カルキ 2898-AD』ジャパンプレミアで監督がファンに約束!捻挫で来日キャンセルのプラバースに「みなさんの愛を伝えます」
インドのトップスター、プラバース最新主演作『カルキ 2898-AD』(2025年1月3日公開)のジャパンプレミアが12月18日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、ナーグ・アシュウィン監督が登壇した。
インド映画史上最高の製作費をかけた『RRR』(22)を上回る製作費110 億円をかけた、インドが贈る超大作である本作。すでに世界興行収入が185億円を超える大ヒットを記録している。舞台は2898年の未来。世界は荒廃し、地上最後の都市カーシーは、200 歳の支配者スプリーム・ヤスキン(カマル・ハーサン)と、空に浮かぶ巨大要塞コンプレックスに支配されていた。しかし、奴隷のスマティ(ディーピカー・パードゥコーン)が宇宙の悪を滅ぼす”運命の子”を身ごもったことで、コンプレックスと反乱軍の大戦争の火ぶたが切られる。一匹狼の賞金稼ぎバイラヴァ(プラバース)が加わり、動き出す過去の宿命。果たして勝利を得るのは誰なのか…。
今回、主演のプラバースも登壇予定だったが、撮影中の捻挫により急遽来日キャンセルに。初来日となったアシュウィン監督が大きな拍手に包まれながら、ステージに登場。実はずっと日本に来たいとも思っていたそうで、「初来日が映画を携えての来日になったことをうれしく思います!」と笑顔を見せる。日本での過ごし方を尋ねると、「地下鉄で渋谷に行きました。でも、迷ってしまい、すぐにホテルに戻りました」と恥ずかしそうに明かしたアシュウィン監督。短い滞在となるが、念願の来日を存分に堪能したいとも語っていた。
イベントは事前にXで募集した質問にアシュイン監督が答えるコーナーをメインに進行。「ネタバレにならないように」と言葉を選びながら答える様子に、観客席から「すてきすぎる…」との声も漏れ聞こえていた。特に注目してほしいシーンは予告にも出ている対決のシーンだそう。「拳と拳がぶつかり合うシーンはぜひチェックしてほしいです!」とおすすめ。主演をプラバースにした理由について「彼の主演は僕たちのファーストチョイスでした」と第一候補であったとニッコリ。「とても野心的なオファーだとわかっていたけれど、幸運にもOKしてくれました。彼がどのくらい撮影を楽しんでくれているのか、すばらしい役者であるのかがわかる映画になりました!」と充実感を滲ませていた。
日本にも好きな作品はたくさんあるそうで、「映画の勉強をしている頃は黒澤(明)作品に触れて、たくさんのインスピレーションを受けました。ジブリ作品も大好きだし『NARUTO』の大ファンです。特にカカシ先生が大好き。作品も好きだし、いまも共感できる、感動できるストーリーがお気に入りです!」とコメント。特に好きな映画については「宮崎駿監督の『ハウルの動く城』『もののけ姫』、黒澤監督の『七人の侍』が大好きです!」と次々と作品名を挙げていた。
本作をSFにした理由については「映画を観る時に一番楽しいのは、映画館にいることを忘れて違う世界へと誘われること。自分にとってSFはそういうもので、子どもの頃からずっと慣れ親しんで来ました。子どもの頃に楽しんだ感覚にしたいという思いでSFにしました」と説明。
プラバースと一緒の作品作りで印象に残っていることについて、「アクションシークエンスに対するアイデアがすてきでした。リハーサルやコーディネーションをしているときに、(映画を)新しくて楽しいものにするためのアイデアを次々と出してくれました。これまでたくさんの映画でアクションシーンを経験しているからこそだと思います!」と経験豊富なプラバースだからこそ湧き出てくるアイデアに感動したとも話していた。プラバースがいる現場について「ファンのみなさんもご存知のように、スタッフが食事の心配をする必要がありません。キャスト、スタッフの分をすべて用意してくれました」とニコニコ。さらに「あまりにもおいしいものがたくさんあるので、お昼休みの後は、思わず寝ちゃうような人もいてちょっぴり困りました」と茶目っ気たっぷりに語り、笑いを誘う場面もあった。
イベントにはプラバースからのメッセージ動画も到着。来日直前にプラバースと話したというアシュウィン監督は、「実は10日ほどの滞在を計画していたので、心から残念がっていました」と報告。メッセージのなかでも「日本でお会いしましょう!」と話す場面もあり、プラバース本人も観客もリベンジ来日に期待を込めていた。さらに、名前入りの法被をプレゼントされたアシュウィン監督は「プラバースの法被は写真だけを撮って見せようと思います。実物は、プラバースに取りに来てもらいましょう!」とコメントし、ファンも大賛成!といった様子で大きな拍手を贈りながら「来てくださーい!」「伝えてくださーい!」などと、プラバースへたっぷりの愛を届けていた。
取材・文/タナカシノブ
※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記