ゴールデン・グローブ賞受賞!ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーンらが『リアル・ペイン〜心の旅〜』魅力を語る特別映像
第40回サンダンス映画祭でウォルド・ソルト脚本賞を受賞した『リアル・ペイン〜心の旅〜』(1月31日公開)。本作より、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、キーラン・カルキンらが登場する特別映像が解禁となった。
本作で監督、脚本、製作を務め、さらに主人公デヴィッドを演じたのが、『僕らの世界が交わるまで』(22)で監督デビューを果たしたアイゼンバーグ。『僕らの世界が交わるまで』に続き、ストーンがプロデューサーとして名を連ねているほか、デヴィッドの従兄弟ベンジーを「メディア王〜華麗なる一族〜」で2024年のゴールデン・グローブ賞、エミー賞をW受賞したカルキンが演じる。先日受賞式が行われた第82回ゴールデン・グローブ賞では、作品賞や脚本賞など4部門にノミネートされ、カルキンが助演男優賞を受賞した。数々の賞レースで大きな存在感をみせる本作は、本年度アカデミー賞でも最有力候補として注目を集めている。
このたび解禁されたのは、アイゼンバーグ、カルキンらキャスト陣に加え、プロデューサーのストーンが本作の魅力を解き明かす特別映像。Netflixドラマ「Giri/Haji」で英国アカデミー賞テレビ部門助演男優賞を受賞した日英ハーフの新鋭ウィル・シャープや、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた過去を持つジェニファー・グレイらも登場し、劇中で描かれる個性的なキャラクターや物語について解説する。
本作では、かつて兄弟同然に育ち、近年は疎遠になってしまった従兄弟のデヴィッドとベンジーが数年ぶりに再会し、亡くなった最愛の祖母を偲ぶため、彼女の故郷ポーランドを旅する姿が描かれる。ツアー旅行に参加した2人は、目的地であるマイダネク(ナチス・ドイツが設置した強制収容所の一つ。現在は跡地として見学が可能)へ向かう道中、ポーランドの様々な地をめぐるなかで、人々と触れ合い、家族のルーツやそれぞれの人生の葛藤と向き合っていく。
本作についてストーンは、「2人の登場人物がとても複雑かつ感動的で、しかも笑える」とアイゼンバーグとカルキンが演じるデヴィッドとベンジーのユニークなキャラクターの魅力を力説。劇中でベンジーとすぐに打ち解けていく女性マーシャを演じたグレイも「デヴィッドは大人らしく妻子もいる。ベンジーは屈託がなくて子どものよう。だから2人の掛け合いはすごく愉快なんです」と語っている。映像ではその言葉通り、2人の絶妙な掛け合いがテンポよく映しだされ、思わずクスッと笑えるだけでなく、真逆な性格ゆえに時にぶつかりながらも、互いが抱える“痛み”に静かに寄り添おうとする心に響く姿が切り取られている。
ベンジー役のカルキンが物語や演じたキャラクターについて、「ベンジーは人を魅了するが、刹那的で予測できません」とひも解いているほか、教養があり温厚なツアーガイドのジェームズを演じたシャープも「祖母を思う2人の悲嘆が見事に描かれています」と明かすなど、コメディとしての軽やかさのなかで丁寧に描かれる、登場人物たちの揺れ動く感情と繊細な心の機微に手ごたえを感じている様子だ。続けて、監督、脚本、製作、出演の1人4役をこなしたアイゼンバーグが「2人のいとこの複雑な物語です。成長した2人の違いがおもしろい。なにかを感じてほしい、正反対な2人が様々な状況で奮闘する姿を通してね」と作品に込めた想いを説き明かした。
ショパンの名曲に彩られたポーランドの美しい国土の旅の先で気づく、人の笑顔の裏側にある“リアル・ペイン(本当の痛み)”とは?時にユーモラスでありながらも、心揺さぶられる新たなロードムービーをぜひスクリーンで楽しんでほしい。
文/平尾嘉浩