なにを信じて疑うか?世論を操る陰謀論に切り込む『コメント部隊』予告編が公開
現代社会に潜む陰謀論、「世論操作」を題材にした犯罪スリラー『コメント部隊』(2月14日公開)。本作より、予告編と場面写真が解禁となった。
国家情報院の世論操作事件を題材にしたチャン・ガンミョンの同名小説が原作となる本作。『誠実な国のアリス』(15)で韓国社会を赤裸々かつ愉快に風刺し、映画界の次世代として注目されたアン・グクジン監督による9年ぶりの新作にして、脚本も手掛けた渾身作となっている。ドラマ「私の解放日誌」で大ブレイクし、『犯罪都市 THE ROUNDUP』(22)などに出演するいま最も影響力のあるトップ俳優として名を馳せるソン・ソックが主演を務める。
このたび解禁された予告映像では、誤報による炎上で出勤停止となった記者イム(ソン・クック)のもとに、世論を操るという“コメント部隊”から「ぼくたちが工作した」と連絡がくるシーンから始まる。どこからが真実で、どこまでが嘘か。ネット情報は誰かが工作したフェイクばかりなのか、はたまた現実に起こっていることなのか。そして、政府よりも大きな組織とはいったいなんなのか?匿名ゆえのSNS暴力や、“オンライン世論操作”という昨今世間を賑わせている題材を基に、「世論なんて簡単に操れる」というセリフに象徴される他人事とは思えない現代社会に潜む陰謀論が次々と映しだされ、これから繰り広げられる予測不可能な展開が楽しみな映像に仕上がっている。
周囲で一度は聞いたことのある身近な話だが、誰も実際に見たことはない実態のない存在である「ネット世論操作」。これについて監督は「現代社会に潜む陰謀論について、目の前で見せることができる映画ではないか。単なる1つのネットの話ではなく、いま私たちが生きているこの社会環境についてすべて盛り込みたい」と演出意図を明らかにする。
現代社会の闇に切り込んだ『コメント部隊』。いったいどのようなストーリーが展開されるのか?劇場で目撃してほしい。
文/平尾嘉浩