イスラム国に参加した姉妹をめぐる異色ドキュメンタリー『Four Daughters フォー・ドーターズ』公開決定
第76回カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた映画『Four Daughters フォー・ドーターズ』が3月14日(金)より公開されることが決定。ティザービジュアルが到着した。
本作は第96回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされたほか世界の映画祭で20以上もの賞を獲得したドキュメンタリー映画。監督を務めたのは、離ればなれになった恋人と会うために、背中にタトゥーを彫りアート作品となったシリア難民を追ったドキュメンタリー『皮膚を売った男』(20)でアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたカウテール・ベン・ハニア。
チュニジアに住む姉妹が15歳と16歳という若さで過激派組織イスラム国(IS)に参加する決断を、なぜ下したのか。この問いに向き合うため、残された母と妹たちは、プロの俳優の助けを借りながら、自分たちの人生の重要な出来事を追体験していく。その過程で、家族の複雑な歴史が徐々に明らかになっていく。
母親であるオルファ本人が演じるには精神的な負担が大きい場面で起用されたのは、エジプトとチュニジアの名女優ヘンド・サブリ。かつて1950年代のチュニジア王政最後の王宮を舞台に、低い身分ゆえ運命に翻弄される母と娘の葛藤を描いた『ある歌い女の思い出』(94)の娘役で一躍スターになった彼女が、本作では国を捨てた娘に苦悩する母親を演じている。
『Four Daughters フォー・ドーターズ』は“ドキュメンタリー”という形式の可能性を押し広げると同時に、家族の記憶や人間関係、母と娘の絆の本質を探求する革新的な作品。世界の映画ファンを驚かせている本作の全貌は、スクリーンで確認してほしい!
文/スズキヒロシ
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