ティモシー・シャラメの来日決定!若き日のボブ・ディランに挑んだ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』特別映像
伝説的ミュージシャン、ボブ・ディランの若き日を描く伝記ドラマ『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2月28日公開)。このたび、主演のティモシー・シャラメの来日が決定。あわせて熱演の裏側に迫る特別映像が解禁となった。
本作では、60年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子が描かれる。
昨年12月に全米公開を迎えると、音楽ファン、映画ファンだけでなく多くの観客からの熱狂的な支持を得ると、興行収入も6290万ドルを突破し、1月17日公開のイギリスでもNo.1大ヒット。さらに、先日の第97回アカデミー賞ノミネート発表においても、作品賞をはじめ、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、音響賞、衣裳デザイン賞の8部門にノミネートされている。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)のプロモーションで初めて日本を訪れて以来、約1年半ぶり2回目の来日を果たすシャラメ。本作の製作に協力したディラン本人もSNSで、「主演のティミーは素晴らしい俳優だから、真実味のある私を演じてくれるだろう」と言及するように、芝居の枠を超えて若き日のディランがまさにそこにいるような熱演を披露している。
自身にとって2回目となるアカデミー賞主演男優賞ノミネートの報を受け、シャラメは「この栄誉を大変光栄に思います。そしてなによりも、この作品がこのように認められたことに心から喜んでいます!最も重要なのは、私たちの作品を熟練の手で導いてくれた偉大なジェームズ・マンゴールド監督に感謝することです。そしてもちろん、これが実現できたのは、偉大なアーティストであり詩人、思想家、そして『未知の存在』であるボブ・ディランのおかげです」と喜びのコメントを発表。このノミネートを引っ提げ日本のファンの前でどんな言葉を語ってくれるのか。2月8日(土)に都内で開催予定のレッドカーペットイベントへの期待も高まる。
そんなシャラメによる圧巻のパフォーマンスが生み出された舞台裏に迫る、新たな特別映像が解禁に。時代を、そして音楽の文化そのものをも変えた世紀のミュージシャンであるディランを全身全霊で演じたシャラメ。いまなお世界中の人々をその音楽で虜にし、2016年にはノーベル文学賞受賞を果たしたレジェンド中のレジェンドであるディランが、混迷を極める1960年代のアメリカで瞬く間にスターダムにのし上がり、歴史を変えていく姿を体現するため、シャラメはそれまで人並みにしか知らなかったディランについての理解を徹底的に深めることから始めたという。
芸術的で謎に包まれたイメージはもちろんのこと、渦巻いていた感情も丁寧に捉えているほか、独特の声質はもちろん、ギターを構える立ち居振る舞いと少し虚ろ気な表情と目線から一気に観る者を引き込むパフォーマンスまで細部に余念のない熱演が映像からも確認できる。本作の歌唱シーンはシャラメ本人が現場で実際に歌い、楽器を演奏しているのだが、「魂を伝えるために実演こそ重要だった。枠にはめられないことに最も感銘を受けた」と力強く語っているように、そこに誰よりも強いこだわりがあったことも伺える。
製作期間中に意図せずコロナ禍が訪れたことで、実に5年にも及ぶ時間をディラン役に没入するための準備期間としてあてられたシャラメは、ボイスコーチと共にディランのパフォーマンスを研究し続けるだけでなく、ギターとハーモニカまで自身でマスター。現場では、あらかじめ録音された音源を流しながら演技し、撮影していく準備も取られていたのだが、シャラメが自身での実演と生歌唱を譲らずにやり遂げた。
ボイスコーチのエリック・ヴェトロは「ティモシーは本当に耳が良い。彼は本当に素早く感覚を掴むことができ、俳優としてそれを実行する方法を知っています」、音楽プロデューサーのニック・バクスターも「作曲するシーン、初めて誰かに曲を見せるシーン、演奏するシーンなど、ティモシーが様々な状況下で演奏できるという事実は信じられません。彼はなににも縛られない。立ち止まったり、マイクから離れたり、歌詞をめちゃくちゃにしたり、ハーモニカのソロを加えたり、テンポを上げたり下げたり、曲のペースを変えたりできるんです」と非凡な才能と表現力にこれ以上ない賛辞を送っている。
ティモシー・シャラメによる珠玉のパフォーマンスが堪能できる『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。ボブ・ディランが“伝説”と呼ばれる所以をぜひ劇場で確かめてほしい。
文/平尾嘉浩