【第97回アカデミー賞】『エミリア・ペレス』ゾーイ・サルダナが初ノミネート初オスカー!助演女優賞&歌曲賞の2部門を受賞
現地時間3月2日に行われた第97回アカデミー賞授賞式で、本年度最多となる12部門13ノミネートを果たした『エミリア・ペレス』(3月28日公開)が、助演女優賞と歌曲賞の2部門に輝いた。
フランスの名匠ジャック・オディアール監督がメガホンをとった本作は、女性として新たに生きることを決意したメキシコの麻薬王と、彼女との出会いで運命を切り拓いていく3人の女性たちの姿をミュージカル仕立てで描いた作品。
第77回カンヌ国際映画祭で女優賞と審査員賞のダブル受賞を果たし、カルラ・ソフィア・ガスコンがトランスジェンダー俳優として初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことなど大きな話題を集めていた。
そんな本作で弁護士のリタを演じたのは、「アバター」シリーズや「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズなどで知られるゾーイ・サルダナ。第82回ゴールデン・グローブ賞や第78回英国アカデミー賞、アメリカ俳優組合賞など前哨戦の助演女優賞を総なめにした勢いそのままに、初のアカデミー賞候補で堂々オスカーを手にした。
壇上で関係者への感謝の言葉を述べたサルダナは「私の祖母は1961年にこの国にやってきました。私は移民の両親の誇り高き娘です。夢を抱え続け、一生懸命に仕事をしてきました。そして、ドミニカ共和国国籍で初めてアカデミー賞で受賞しましたが、これが最後ではないと信じています。私がこのような賞を手にすることができるということ、スペイン語で演じるという役割をもったこと、私の祖母は光栄に思ってくれると信じています」と万感の思いでスピーチ。
また、劇中でサルダナとガスコンが歌う「El Mal」が、ゴールデン・グローブ賞の主題歌賞に続き歌曲賞を受賞。担当したクレモン・デュコルとカミーユも初ノミネートにして初受賞を達成し、会場は温かい祝福に包まれていた。
文/久保田 和馬