『はいからさん』原作者・大和和紀、早見沙織&宮野真守を絶賛「素晴らしくてびっくり!」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『はいからさん』原作者・大和和紀、早見沙織&宮野真守を絶賛「素晴らしくてびっくり!」

インタビュー

『はいからさん』原作者・大和和紀、早見沙織&宮野真守を絶賛「素晴らしくてびっくり!」

シリーズ累計1200万部を突破する少女漫画の金字塔を2部作で劇場アニメ化する『はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜』(11月11日公開)、『はいからさんが通る 後編 〜東京大浪漫〜』(2018年公開)。伝説的カップルとも言うべき、紅緒&少尉のカップルを声優・早見沙織と宮野真守が演じる。原作ファンにとっても期待に胸はずむ、ワクワクのキャスティング。原作者の大和和紀にインタビューすると、「声優さんってすごいですね!」とキャスティングについて大満足の気持ちを明かしてくれた。

1975年から1977年まで「少女フレンド」で連載され、連載終了から40年を経ても今なお愛され続ける人気少女コミックを劇場アニメ化する本作。明るいじゃじゃ馬娘の花村紅緒と、笑い上戸なイケメン・伊集院忍少尉の運命の恋を描く。

1978年にはテレビアニメ化も叶ったが、物語のクライマックスまでをアニメ化するのは今回が初めてのこと。大和は「アニメを最後まで見たいと思ってくれた方も多かったと思います。当時、番組編成の関係で途中で終わらざるを得なくなってしまったんですが、日本アニメーションさんも最後までできなかったのは、心残りだったようです。“今回、最後までを描きたい”とのお話をいただいて、うれしく思っています」と喜びを噛みしめる。

劇場アニメ化する上で、アドバイスしたことはあったのだろうか。「なるべく明るく、軽さを持って描いてほしいとお願いしました。お話だけ考えると、とてもシリアスなストーリーなんです」とのこと。確かに、紅緒と忍の心が通じ合ったときに、忍が出兵してしまうなど、ストーリー自体はとてもドラマチックかつ、シリアスなものだ。「それをそのまま描いてしまうと、すごく重たくなってしまう。できるだけ軽さを持って描いてくださいとお願いしました」。

大和の願った通り、原作のシリアスと笑いが見事に同居する映画となった。「声優さんが素晴らしいので、びっくりしました」と魅力的なキャラクターを生き生きと演じきった声優陣の熱演にも感動しきりだ。「早見さんの演じる紅緒は、じゃじゃ馬だったり、喧嘩っ早かったり、恋する乙女だったり、様々な面を見せなければいけない難しい役です。早見さんは、とってもお上手でした。あんなに色々な声が出せるなんて驚きです。聴きどころは、酒乱のシーンではないでしょうか(笑)」というから、注目だ。

「宮野さんも本当に素敵でした。2枚目の声ですね!甘い声が少尉にぴったりだと思いました。声優さんたちみなさんがとても原作を読み込んで、深く理解して演じてくださいました。本当に感謝しています」と宮野の演技にも感服。また「“この声をあの人がやっているの?”と驚くことばかり。(伊集院家の女中)如月の役を、イギリスのTVシリーズ『ダウントン・アビー』のバイオレットさまを演じている一城みゆ希さんがやっていらして!声優さんって本当にすごいですね。みなさんとても生き生きと演じてくださいました」と声優のすごみを実感したそう。

連載終了から40年を経てもファンを増やし続けている「はいからさんが通る」。大和は「自分も楽しんで描いた作品が、変わらずに愛していただき、みなさんに楽しんでいただけるなんて、本当に幸せな作品」と生みの親として、感慨深け。

「きっと当時読んでくださっていた世代が、大人になって今や製作者側となっているのでは。“当時、自分が面白いと思ったものは、絶対に今の若い子が見ても面白いだろう”と思い、取り上げていただいている面もあると思います。それが今の現象かもしれません。本当にありがたいことです」。世代を超えて愛される名作が劇場アニメとなって蘇る。当時の少年少女たち、そして今の若者も紅緒の恋と人生をスクリーンで大いに堪能してほしい。【取材・文/成田おり枝】

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