劇団EXILE町田啓太、念願叶う!?「ハッピーを忘れずに演じました」
広島県庁が実際に行なっている婚活事業「みんなでおせっかい!『こいのわ』プロジェクト」にインスパイアを受けて作り出された恋愛応援ムービー『こいのわ 婚活クルージング』の初日舞台挨拶が11月18日、角川シネマ新宿で開催。ダブル主演を務めた風間杜夫と片瀬那奈のほか、藤田朋子、小橋めぐみ、町田啓太、八嶋智人、金子修介監督が登壇した。
本作は広島の街や瀬戸内海を舞台に、男女の迷走をユーモラスに描く大人のロマンティックコメディ。「男はつらいよ」のマドンナのような女性を理想とするバツイチの実業家・門脇は、社長を解任させられたことをきっかけに、新たな会社設立とパートナー探しを決意。お見合いを続けるも、なかなかいい相手に出会えない彼は、様々な婚活イベントを企画。そんな中、30歳年下の女性ナギに惹かれ始めていく。
80年代に一斉を風靡したドラマ「スチュワーデス物語」など、二枚目の役柄も三枚目の役柄もこなす風間は、本作ではパワフルな富豪を演じ、あらゆる世代の女性からモテモテに。「たいへん気持ちが良かったです」と頰を緩ませる風間は、劇中で描かれる30歳年下のヒロインとの恋物語については「おとぎ話ですね」と笑ってみせた。
一方で風間とともにダブル主演を務めた片瀬が演じるのは、元ご当地アイドルの編集者。「実年齢と役がほぼ同じで、現実的に受け止めてしまった。演じるというより、向き合っていました」と“婚活”をめぐる切実な実情に本音を漏らした。それでも「こうやって年の差があっても、恋ができるのは素敵だなと思います」とうっとりした表情。
そんな片瀬と『デスノート』(06)以来のタッグとなる金子監督は、現在新作の撮影中とのことで、舞台挨拶のために極寒の中国ハルビンから帰国してきたばかり。久々に揃ったキャスト陣に安心した表情を浮かべながら、俳優の個性を生かしたキャラクター作りについて語る金子。「11年前から美脚だとわかっていた」と片瀬の個性について明かすと、片瀬から「監督は脚フェチなんです」とバラされ、苦笑いを浮かべた。
会場には藤田と町田が演じた役柄のモデルとなった「『こいのわ』プロジェクト」の職員も来場。「婚活に関わる人たちがみんなハッピーな方が多いんだなと思い、僕もハッピーを忘れずに演じました」と振り返った町田に、会場中の女性ファンからは黄色い歓声が上がった。そして町田は「普段から先輩方に公務員っぽいと言われてきたので、念願叶った感じです」と笑顔を見せた。
劇中には広島周辺の美しい観光名所がたくさん登場する。キャスト陣も撮影の合間に観光したことを振り返り、片瀬は小橋とともにゲームセンターに行ってメダルゲームやUFOキャッチャーをしたこと、町田と八嶋は瀬戸内の島を巡ったエピソードなどを披露した。
さらに、マツダスタジアムでの野球観戦シーンでは、700人以上のエキストラに自前の応援グッズを持って撮影に参加してもらったなど、多くの現地エキストラの協力によって支えられた本作。まさに近年のカープ旋風によって一体感が増している広島の熱量が、スクリーンを通して伝わってくる作品になっている。
「人生いつまでも、年に関係なく恋をしてときめいて一生を終わりたいと僕は思っています」と言いながら、途中で急に恥ずかしそうな表情で「何を言ってるんだ」と笑う風間に、他のキャスト陣がずっこけるという一幕も。そして風間は口ごもりながらも「ハッピーを忘れずに!」とポジティブな言葉で締めくくった。
取材・文/久保田和馬