月々約1000円払えば、映画館で観放題に。「MoviePass」が映画興行に与える影響は?

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月々約1000円払えば、映画館で観放題に。「MoviePass」が映画興行に与える影響は?

ストリーミングサイトの普及もあり、アメリカの映画館は観客動員数の下降に悩んでいる。観客の間でも「劇場で観る価値があるものだけを観にいく」傾向が強まっていることも要因の一つのようで『ワンダーウーマン』や『ダンケルク』などの大作を除き、劇場に足を運ぶ観客が減少していると言う。

そんな中、米国ではじまった月額料金$9.95(約1120円)で映画が観放題になるサービス「MoviePass」が映画の動員数に大いなる影響を与えているというニュースが米slashfilm.comによって報じられた。

MoviePassは定額料金を払えば提携映画館で上映される最新の映画を1日1本まで鑑賞できるというサービスで、3D作品やIMAX上映は除外されるなどの条件はあるが、たった$9.95で実質1か月間毎日映画館に通うことが可能になるサービスだ。Netflix共同設立者のミッチ・ロウが現在同社のCEOをつとめており、月額を$9.95に設定した2016年以降、急速に加入者が増えている。

例として、デンゼル・ワシントンの名演が好評の『Roman J. Israel, Esq.(原題)』の13.21%、オスカー有力作と言われる『スリー・ビルボード』(日本18年2月1日公開)の10%がMoviePass経由で購入されたチケットだったというデータが発表された。また『ジャスティス・リーグ』や『リメンバー・ミー』(日本18年3月16日公開)『The Snowman(原題)』といった映画は公開の2週目以降MoviePassの使用率が上昇したという。

MoviePassは現在、米国にある映画館の約91%に適用されている。同社はインディペンデント映画の配給会社とマーケティング契約を結んだとも発表しており、今後MoviePassで鑑賞可能になる映画の幅も広がると予測されている。

劇場動員数を増やすために様々な手法を導入し試行錯誤する映画館業界に、今後MoviePassがどのような風を吹かせるのか、注目したい。

LA在住/小池かおる

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