強く儚く美しく…。豪華絢爛「大映男優祭」で男たちの魅力がスクリーンに蘇る

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強く儚く美しく…。豪華絢爛「大映男優祭」で男たちの魅力がスクリーンに蘇る

現在東京・新宿の角川シネマ新宿で開催されている「大映女優祭」につづき、2018年4月14日(土)から開催される「大映男優祭」。数多くのスターを輩出してきた大映株式会社が誇る、美しくも儚い男たちが織りなす華麗なる競演が、大映創立75周年のメモリアルイヤーをさらに彩る。

唯一無二の大スター、長谷川一夫を筆頭に、37歳の若さで急逝した市川雷蔵、後世の俳優たちの大きな影響をもたらした勝新太郎、俳優・船越英一郎の父として知られ“和製マルチェロ・マストロヤンニ”の異名を持つ個性派・船越英二に、俳優一家のサラブレッド・川口浩。

さらに司会者としても人気を博した田宮二郎に、50年代に高い人気を誇った菅原謙二、映画やドラマなど幅広く活躍を見せた根上淳ら、数えきれないほど多くの名優たちの存在こそが、大映映画の魅力なのである。そしてこの度、そんな彼らの貴重な映像をふんだんに織り交ぜた、贅沢でスタイリッシュな予告編が完成したのである。

まず冒頭から、色鮮やかな甲冑に身を包んだ長谷川一夫の迫真の表情が映し出される。これは、大映初のカラー作品であり、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した衣笠貞之助監督の『地獄門』(53)の一場面だ。そして目にも留まらぬ速さで、8人の男優たちの代表作の映像が映し出されていくのだ。

そして、今回上映される45作品の中から多くの作品の名場面が相次いで登場。勝新太郎の代表作『座頭市物語』(62)での驚きの場面や、市川雷蔵が現代劇に挑んだ『ある殺し屋』(67)の華麗なアクションシーンに、勝と田宮二郎の共演による『悪名』(61)での激しい乱闘シーン。

そして、市川雷蔵ファンには堪らない『眠狂四郎 無頼剣』(66)での有名な屋根上での立ち回りに『大菩薩峠』(60)で中村玉緒が語りかける「刀にお強いように、女にも強いか」という台詞が象徴的に登場。彼に代表される大映男優たちの強さと美しさ、そして儚さすべてを物語った、見事な予告編に仕上がっている。

紹介した作品以外にも、市川崑監督のモダンな雰囲気と船越英二の役者としての魅力が存分に発揮された『黒い十人の女』(60)や、誰もが知っている物語を圧倒的なスケールで映画化した長谷川一夫主演の『源氏物語』(51)、そして大映を代表するカップル川口浩&野添ひとみが共演した、とてつもなく現代的でアップテンポな怪作『巨人と玩具』(58)など、一度は劇場の大スクリーンで体験すべき名作が勢揃い。

この「大映男優祭」の上映作品の詳細とスケジュールは、すでに公式ホームページ上で公開されている。現在開催中の「大映女優祭」とあわせて、この機会に日本映画の魅力を再確認してみてはいかがだろうか。

文/久保田和馬

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