新鋭アナ・ケンドリックが感動したジョージ・クルーニーの気配り
本年度アカデミー賞に5部門ノミネートされた『マイレージ、マイライフ』(3月20日公開)で、ジョージ・クルーニーと堂々渡り合い、助演女優賞にノミネートされた新進女優アナ・ケンドリックが映画のキャンペーンで来日。ジョージと仕事をして、現場での気遣いがとても細やかで感銘を受けたというエピソードを語った。
本作でアナが演じたのは、ジョージ扮する“リストラ宣告人”ライアンの部下で、会社の期待の新人ナタリー役。ジョージと共演した印象についてこう語った。「会うまでは怖い人って感じで、緊張していろいろと考えすぎてしまってたの。でも、実際に会った彼は、心から周りの人をなごませようと努力してくれる人だった」。
実際、ジョージは、アナの緊張をほぐすために一生懸命コミュニケーションをとってくれたようだ。「彼は私のことをずっとからかってたの。私が真面目に役作りをしている時でさえそうだったから、現場にいる時、彼はまるでティーンエイジャーみたいで、私はそれをたしなめる役目をしていたわ(笑)」。
俳優としてのジョージについては、こんなふうにリスペクトの念を語った。「ジョージは私がこれまで一緒に仕事をした俳優さんの中で最も努力家で、一生懸命働く俳優さん。彼が成功を収めた理由は、その努力家の部分と直結していると思う」。
また、アナはジョージの気配りについても感心したと言う。「例えば監督が私に『ここはもう少し傷ついた表情を出して』とか注文したとする。するとジョージもそれに合わせて、演技を変えてくれるの。すぐ前の彼の台詞をわざときつく言ったりね。カメラは私側を撮っているからジョージ側は映らないし、私はそれを聞いて傷ついた表情を出しやすくなる。そこまで気を遣ってくれる俳優さんは少ないわ。彼は周りの共演者たちがやりやすいように常に配慮してくれるの」。
『マイレージ、マイライフ』で上司のライアンがメアリーにいろんなノウハウを教えていったのと同じように、現場でのジョージもアナにたくさんのことを伝授し、彼女はそれを吸収していったのだろう。そして今回アナは彼に代わって来日キャンペーンも立派に務めたのだ。
「ナタリーと私は、すごく似通ったところがたくさんあったと思う。この映画がきっかけで、私も彼女のようにいろんなところを旅行できるようになったし、大任を与えられたと感じている。時には不安になったり荷が重いなって思ったりすることもあるけど、一生懸命やるようにしている。今頑張っておけば、最後にはよかったと思えると思うから」。
終始笑顔でインタビューに答えてくれたアナ。『トワイライト』シリーズで人気女優となったが、『マイレージ、マイライフ』は彼女のキャリアにおいて重要な作品になるに違いない。ジョージはもちろん、彼女のフレッシュな熱演ぶりにも注目して楽しみたい映画だ。【Movie Walker/山崎伸子】