ピエール瀧&リリー・フランキーの悪役コンビは「僕の特権」!白石和彌監督がトーク
NGT48およびAKB48グループからの卒業を発表した北原里英が主演を務める映画『サニー/32』(2月17日公開)のトークイベントが1月19日に都内で開催され、白石和彌監督、高橋泉(脚本家)、宇野維正(映画ジャーナリスト)が登壇した。
本作は、ある事件の殺人犯を“サニー”と呼び神格化する二人の男たちに拉致監禁される女性の姿を描くサスペンス。企画のスタートは「秋元(康)先生から、北原さんで映画を作ってくれとお声がけいただいた。ホラーっぽいものをやってくれということだった」と振り返った白石監督。
しかしあまり食指が動かず、実際に起きた小学生による同級生殺害事件をモチーフに「日本のいまのトップアイドルを使ってアングラ映画を作ったら、一風変わった映画になるだろうと思った」そうで、「僕の師匠である若松(孝二)監督が60年代、70年代にやっていたような映画の匂いが出せれば」と映画に込めた思いを明かした。
白石監督の『凶悪』(13)にも出演したピエール瀧とリリー・フランキーが誘拐犯を演じており、白石監督は「あの二人をコンビにして悪いことをさせるのは、僕の特権みたいなところがある」とニヤリ。「あともう2回くらい、韻を踏んでも大丈夫かな」とさらにピエールとリリーの悪役を望み、会場を笑わせていた。
キャスティングについては、客席から「音尾琢真さんが22歳の役をやっているのはなぜ?」と質問が上がった。実は白石監督と音尾は同じ高校出身の先輩・後輩の間柄であり、白石監督は「因縁があって。通行人でも出たいという。スケジュールがないから無理だと言ったんだけれど、最後に22歳のヤンキーの役があった。どう?と言ったら、やりますと」と明かすと会場も大爆笑。因縁だけでなく、「どこか虚像にしたいと思った」との意図も語っていた。
また、白石監督が今後の野望を語る一幕も。「時代劇や、チャンスがあれば『ゴジラ』もやりたい。監督としてすごく恵まれているので、まだまだチャンスがいただければ勝負したい」と意欲を示していた。
取材・文/成田 おり枝