『ソラニン』キャストが語る宮崎あおいの歌声の力

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『ソラニン』キャストが語る宮崎あおいの歌声の力

いよいよベールを脱いだ話題の青春ラブ・ストーリー『ソラニン』(公開中)。浅野いにお原作の人気コミックの映画化とあって、製作時から注目を集めているが、見どころはなんといっても宮崎あおいが初挑戦したボーカルとギター演奏だ。

未来に不安を抱きながらも、希望を抱く若者たちの姿が美しく描かれる本作。宮崎あおい扮する主人公・芽衣子は、バンドマンである恋人・種田と同棲中。だが、ある日種田は交通事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。芽衣子は、種田が遺した歌とともに仲間たちとライブ演奏に挑む。

芽衣子の役柄同様、ボーカルもギターも未経験だった宮崎。その歌声はクライマックスのライブシーンまでお預け。むかえるライブ本番、芽衣子がマイクの前に立つと、観ているこちらまで緊張してしまう。そして、積み重ねた痛みや不安を吐き出すかのように、芽衣子が希望にあふれた声で叫び出す。

演じた宮崎は、初のボーカルやギター演奏に「苦労はまったくありませんでした」と話す。「歌ってこんなに気持ちのいいものなんだっていうのを体感しました。もともと歌を聴くのは好きでしたが、自分が歌うなんて考えてもいませんでした。でも勇気を出して飛び込んでみたら、本当に素晴らしい時間を過ごせたので良い経験になりました」と手応え十分。

ベースの加藤役を演じたのは、本作で初の演技に挑んだ近藤洋一。普段はロックバンド、サンボマスターのベーシストとして活動する彼は、「演奏していると、ライブハウスの空気がどんどん変わっていって、その場がひとつになることがあるんですけど、今回本当にそういう空気になりました。その空気を支配したのが、芽衣子ちゃんの歌声」と、宮崎の歌声に太鼓判を押す。

ビリー役に扮した桐谷健太は、得意のドラムを披露。「あおいちゃんの芽衣子の声は、“すごいまっすぐでイイ声やな”と思いました。それに僕らは“ついていくゼ!”みたいな感覚になれたのが気持ち良かったです。幸せな時間でした」と満足そうに振り返った。

また加藤の恋人アイがバンドのメンバーの奮闘をそばで見守る。演じた伊藤歩は、「誰よりも近くにいる一ファンとして、一番贅沢な時間を過ごせました。パワーやエネルギーに満ちあふれた映像がスクリーンに現れていると思います」と話した。

観る者の心にまっすぐに突き刺さる宮崎の歌声はもちろん、コミックでは当然描くことが不可能だった音楽にあふれた映画『ソラニン』の音色は、劇場を感動で包むことだろう。【取材・文/鈴木菜保美】

※宮崎の「崎」の字は旧字体が正しい表記です
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