西原ワールド全開!『パーマネント野ばら』の女性たちの生き方とは
真っ直ぐ過ぎる三十路女性の生きざまを描いたテレビドラマ「曲げられない女」での熱演も記憶に新しい菅野美穂が、久々にスクリーンに帰ってくる。北野武監督作『Dolls(ドールズ)』(02)以来となる主演作『パーマネント野ばら』(5月22日公開)は、昨年『女の子ものがたり』(09)、『いけちゃんとぼく』(09)の2作が映画化されている人気漫画家・西原理恵子の同名コミックが原作だ。
娘を連れて、母親が営む海辺の小さな美容室に出戻ったヒロインと、そこに集っては少し大げさに、恋にまつわる嘘を告白し合う、わけありな女性(おばちゃん)たち。小さな嘘といえども、酸いも甘いも知り尽くした女性たちの内心は真剣そのもので、彼女らの掛け合いにはホロリと感動してしまう。ひょっとしたら思わず「わかる、わかる」とうなずいてしまう女性も多いだろう。
そんなハートウォーミングな物語で、劇中を彩る人物たちも、西原の原画を忠実に再現したビジュアルで登場する。予告編やポスター&チラシなどには「もしや、すっぴん!?」と思ってしまうほどナチュラルな菅野の姿が確認できる一方、金髪厚化粧の小池栄子、めがね女子な池脇千鶴、そしてグリグリパーマヘアの夏木マリ。この個性的な女優たちがどういう嘘を告白してくれるのか大いに楽しみだ。
メガホンをとるのは『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)、『クヒオ大佐』(09)の吉田大八監督。女性たちの内面をさらりとえぐって見せる気鋭監督と、久しぶりの主演を務める菅野とが西原ワールドで、どんなコラボをみせてくれるのか期待が高まる。【トライワークス】
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