映画初主演 ラーメンズ片桐仁が物憂げな画家に変身
5月8日(土)公開の『聖家族 大和路』で映画初主演を果たした、お笑いコンビ、ラーメンズの片桐仁。今回は、普段テレビや舞台で披露するコミカルな演技を封印し、いつになく物憂げな表情を見せている。
物語は、片桐扮する画家の河野扁理が、師匠の死に翻弄されながらも新作の絵を描くため、奈良に滞在するところから始まる。数々の仏像や歴史建造物に触れ、創作意欲をかきたてようとするものの、いっこうに筆が進まない河野。創作を諦めかけていた矢先、彼の前に漫画家志望の女子大生や亡き師匠の未亡人が現れ…という、なんとも観念的なストーリーに仕上がっている。
原作は昭和初期の作家・堀辰雄の小説「聖家族」と「大和路」の2作品を軸にして、彼がこよなく愛する奈良大和路の名作紀行文も組み合わせている。また、平城遷都1300年記念事業として奈良県、奈良市に協力を得たことによって、歴史建造物、仏像、自然なども劇中に登場しており、そちらも見どころとなっている。
片桐仁が、エキセントリックな芸風を封印したらどうなるのか? 若干の不安はあったものの、劇中随所で見せる物憂げな表情や芝居は、文学の世界に意外なほどはまっている。そういえばラーメンズのコントにも、どこか知的で文学的なものがあったような気がしてくる。映画の公開前にテレビ番組や舞台もチェックして、片桐仁の芸達者ぶりを確かめておこう。【トライワークス】
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