寅さんに五郎さん?『ダーリンは外国人』の驚きに満ちた撮影現場の真相

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寅さんに五郎さん?『ダーリンは外国人』の驚きに満ちた撮影現場の真相

ある時は「男はつらいよ」の寅さん、またある時は「北の国から」の五郎さん、そして落語家と、『ダーリンは外国人』(4月10日公開)の撮影現場では、とっても楽しげな光景が繰り広げられていたという。実はこれ、ぜ〜んぶ宇恵和昭監督の演出の話。CMディレクター出身、宇恵監督のユニークな演出術はそれだけにとどまらない。

本作に主演した井上真央も「『カット!』の代わりに、綺麗!イケメン!キュート!という言葉が飛び交っている現場で、監督もしょっちゅうギャグをとばしていました」とその撮影を振り返る。

彼女が演じるのは、ひょんなことからアメリカ人のトニーと交際することになったイラストレーターのさおり。漫画家を目指しているという設定のため、劇中ではイラストや漫画を描く姿も披露しており、その腕前は原作者の夫が「ホント良く似てた」と感心するほど。

そんな彼女が苦戦を強いられたのが「イラストのトーン貼り」なんだとか。「洋服や袖の細かい部分に、貼っては削り、削っては、はがすという作業の繰り返しなのですが、これが難しくて。『慣れるまでガンバロウ』と、夜な夜な地道に練習していました」と明かした井上。

一方、迷言、珍言を繰り出しつつ、パートナーとなるさおりを見守るアメリカ人トニーを演じたのは、新鋭ジョナサン・シェア。実は彼、私生活でも奥さんは日本人。ゆえにトニーさんには共感することも多かったのだそう。「日本語で道を聞いても答えてもらえなかったり、洗濯の仕方がわからなくて相手のセーターをダメにしちゃったり、同じような経験をしているので、トニーさんにはとても共感しました」。

そう語るジョナサンは、さおりとケンカするシーンで、本当に落ち込んでしまったのだそう。「真央ちゃんは、スイッチの切り替えが上手だから、怒るシーンではものすごいパワーを発揮するんだけど、演じているうちに本当に悲しくなってしまってね。立ち直るのに2日間もかかりました。でも好きなシーンです」と明かす彼に、「私も好きです」と井上もニッコリ。監督も「迫真の演技で良かったよね」とニンマリ。普段は面白ギャグを飛ばす監督も、この日ばかりはギャグを封印! と思いきや「こらえ切れなくなって小さな声でボソっと言ってましたよ」と井上が教えてくれた。

国際結婚を題材にした本作。井上も「こんなに結婚について考えたことはない」と明かすが、特に憧れの結婚観はないとのこと。ただし原作者夫妻からは、たくさんの刺激を受けたようで「ふたりの掛け合いはホントに素敵で面白いんです。隣で一緒に自分の事のように、喜んだり悲しんだりしてくれる方がいるって、すごくいいなって思いましたし、これからの人生でそういうパートナーに巡り合いたいです」と笑顔で語った。

最後に「小栗家は大好きな家族! こんな素敵な家族に囲まれて幸せでした」と井上真央が締めくくる『ダーリンは外国人』。ぜひ映画館でご覧あれ!【MovieWalker/大西愛】

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