黒ばかりはつまらない!? アカデミー賞授賞式で男性の衣装にも変化が

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黒ばかりはつまらない!? アカデミー賞授賞式で男性の衣装にも変化が

女性が衣装で自己主張を展開する中で、黒だらけだった男性の衣装にも異変が起きている。

現地時間の3月4日に開催された第90回アカデミー賞授賞式でも、フォーマルの代表である黒のタキシードやジャケット姿が圧倒的に多かった。

一方で、かつてはジャレッド・レトやシンガーのファレル・ウィリアムスといった数人の男性がその常識を覆すスタイルで登場していたが、今年は、若手を中心にこれまで以上に個性的なデザインやカラーも目立った。

『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督は、カルバン・クラインの白いジャケットに黒いパンツと白黒で、主演のダニエル・カルーヤは褐色のベルベット素材のブルネロ クチネリのジャケットと黒いパンツで、『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートは、トム・フォードのダークグリーンのベルベット素材のジャケットに黒いパンツで決めた。

また『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーとティモシー・シャラメはそれぞれ、ジョルジオ・アルマーニのバーガンディのベルベット素材のタキシードと、黒い靴以外は蝶ネクタイまで真っ白なベルルッティのタキシード、また、脚色賞で89歳の最年長受賞者となったジェームズ・アイヴォリーは、タキシードのインナーにティモシーの似顔絵が描かれたシャツを着用するという粋なファッションで登場した。

男性の中でベスト・ドレッサーに選ばれたのは『ブラックパンサー』の主役を務めるチャドウィック・ボーズマンで、ジバンシィのオートクチュールで全身真っ黒に決めているものの、スタンドカラーにノータイ、セミロングコートの肩にはシルバーの刺しゅうがあしらわれたデザイン。クラシックフォーマルとは一線を画す個性的なデザインながら圧倒的な存在感を見せつけている。

一方ワーストに選ばれたのは、平昌五輪の団体戦で銅メダルを獲得したものの「お尻はニセモノ?」と話題を呼んだ、米フィギュアスケート選手のアダム・リッポンだ。モスキーノにオーダーして作ってもらったというタキシードは、蝶ネクタイはつけているものの、奇抜なデザインでインナーにはハードボイルドなハーネス、カットアウトされた肩からは白いシャツが。

また素足にローファーという出で立ちに、コンサバ派からは非難の声もあがったが、自らゲイであることを公表しているアダムは今回も、着たいものを着て何が悪いとばかりに「リスクを取らなきゃね」とまるで気にしていない様子で、オスカーに新たな風を吹き込んだ。

NY在住/JUNKO

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