台湾映画界を救った救世主はふたりの日本人だった!?

映画ニュース

台湾映画界を救った救世主はふたりの日本人だった!?

1940年代と現代の台湾を舞台に、約60年間届かなかったラブレターが2つの時代の恋物語をつないでいく切ないラブストーリー『海角七号 君想う、国境の南』(08)。台湾本国で世代を超えて大ヒットした本作のDVDが6月25日(金)に発売される。

日本ではあまり知られていないが、台湾映画界は近年ヒット作に恵まれず、低迷し続けていた。同作も公開当初はその他の作品と同様に、それほど振るわなかったとか。しかし観客による口コミから瞬く間に評価が高まり、人気が爆発。その結果、興行収入5億3千万台湾ドル(約16億円)を記録し、台湾映画として歴代No.1の大ヒット作となった。また、台湾版アカデミー賞といわれる“金馬奨”において、主題歌賞、最優秀助演男優賞など6部門受賞の快挙を達成し、記録にも記憶にも残る作品となったのだ。

本作で注目したいのは、ふたりの日本人が深く関わっていること。ひとりは演技初挑戦ながら60年前の台湾に生きた教師役と、現代に生きる本人役の2役に挑戦した奄美大島出身のアーティスト、中孝介。劇中では歌も披露し、歌手としても映画に貢献した中は、本作のヒットにより台湾でも多数のファンを獲得した。

そしてもうひとりの日本人が、売れないファッションモデルのヒロイン・友子を演じた田中千絵だ。彼女は、台湾映画の不振の影響で同作が資金難に遭遇し、二度も撮影が中断した際、スタッフと一緒にスポンサーに頭を下げて歩いたという逸話を残している。台湾映画界ではすでに有名人となった田中だが、彼女の努力なしでは決して映画の成功はなかっただろう。

台湾映画史上最大のヒット作に日本人が貢献できたことは非常に誇らしいこと。感動の物語と共に、彼らの勇姿をDVDで確認してもらいたい。【トライワークス】

■海角七号 君想う、国境の南
6月25日(金)発売
価格:4935円(税込)
発売・販売元:マクザム
作品情報へ