30年前にバンドブームを巻き起こした「イカ天」のバンドマンはいまどうしてる?
1989年2月から1990年12月までの約2年、土曜深夜に放送された伝説的テレビ番組「三宅裕司のいかすバンド天国」。“イカ天”の呼び名で親しまれ、バンドブームを巻き起こした。それから約30年、あの元バンドマンたちは、いまどうしているのだろうか?そんな、当時のバンドマンが出演するノスタルジーたっぷりのホロ苦な人間ドラマが『馬の骨』(6月2日公開)だ。
主人公は「イカ天」に出演するなど、かつてバンドマンとして脚光を浴びながらも、工事作業員として働いていた熊田。仕事を失った彼は格安のシェアハウスに転がり込み、そこに住むシンガーソングライター志望のアイドル・ユカに触発され、かつての夢にケリをつけようと奮闘する。
本作は主人公・熊田を演じ、監督も務める桐生コウジの自伝的ストーリーだ。『アウトレイジ 最終章』(17)などの北野作品に出演するほか、バイプレイヤーとして活躍する桐生は、映画のタイトルにもなっている“馬の骨”という名のバンドでかつてカルト的人気を博したが、バンドの解散により俳優に転身したという経歴を持つ人物。
劇中では彼が30年前と同じようにコスプレをし、馬の骨として演奏するシーンもある。BEGINやSHERBETSの浅井健一(当時はBLANKEY JET CITY)、人間椅子など、「イカ天」で注目を浴び、現在も第一線で活躍するバンドがいる一方、彼のように音楽から足を洗ってしまった人も少なくない。そんな背景を知ると、当時を知らない世代でも、思わずホロリとさせられるだろう。
文/トライワークス
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