山田孝之と長澤まさみに聞いた『50回目のファーストキス』でのイチオシのキスシーン|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
山田孝之と長澤まさみに聞いた『50回目のファーストキス』でのイチオシのキスシーン

インタビュー

山田孝之と長澤まさみに聞いた『50回目のファーストキス』でのイチオシのキスシーン

『銀魂』(07)の福田雄一監督が放つ初のラブストーリー『50回目のファーストキス』(6月1日公開)で、W主演を務めた山田孝之と長澤まさみ。1日で記憶が消えてしまうヒロインと、彼女を大きな愛で包む青年との純愛を、山田たちはどう紡ぎ上げたのか?2人にインタビューし、福田組の撮影秘話を聞いた。

山田と長澤の共演は、『そのときは彼によろしく』(07)以来、11年ぶりとなった。「世界の中心で、愛をさけぶ」のドラマ版で主演を務めた山田と、映画版でヒロインを演じた長澤とのタッグに加え、映画版の主題歌「瞳をとじて」を手掛けた平井堅が、本作でも主題歌「トドカナイカラ」を書き下ろしたと聞いただけで、福田監督の気合は十分に伝わってくる。

山田は本作のオファーを受け「相手役が長澤さん、福田組、ハワイでの撮影と聞いて、こんなご褒美はないと思いました」と大喜びし、出演を即決した。

「“セカチュー”のドラマに出演していたころは、こういうラブストーリーがブームでした。僕はその後、しばらくラブストーリーをやっていなかったけど、いまやれば昔とは違う感情や表情が出せたり、なにか違うものができたりするんじゃないかと思っていたので、数年前から『ラブストーリーをやりたい』と言っていたんです。今回は福田組でコメディも入っていたから、バランス的にもタイミング的にもちょうど良かったです」。

長澤も「ここ最近、山田さんの作品(ドラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」)にナレーションで参加したり、1話だけ出させてもらったりしているなかで、またいつか2人で共演できたらと思っていました。また、『銀魂』では3日間くらいしか撮影がなかったので、今回福田組にどっぷり浸かれることも嬉しかったです」と共演を快諾したそう。

本作はアダム・サンドラーとドリュー・バリモアの共演作『50回目のファースト・キス』(04)をリメイクした純度の高いラブストーリー。舞台はハワイのオアフ島で、事故の後遺症による短期記憶障害を抱える藤島瑠衣(長澤まさみ)と、彼女に一目惚れをしたツアーコーディネイターでプレイボーイの弓削大輔(山田孝之)との一生に一度の運命の恋を描く。

瑠衣に対して献身的な愛を捧げる大輔。福田監督は、せつないシーンを演出しながら現場で涙していたそうだ。長澤は福田監督について「泣いてました。福田さんも普通の人なんだと思いましたね(笑)。とても繊細に演出していただきました」と感謝する。

福田組の常連である山田は、今回の現場での福田監督をどう見ていたのか?「福田さんは普段、コメディ作品を演出する時、笑ってはいても真剣なので、そんなに違いは感じなかったです。ただ、毎回僕が泣くシーンで、福田さんも同じくらい泣いていたので、大丈夫かな?と思いました(笑)」。

1日で記憶が消えてしまう瑠衣にとって、大輔とのファーストキスは毎回初めての体験となる。風光明媚なロケーションでのキスシーンのなかで、星がきらめく山の上でのキスシーンが一番印象的だったという長澤。「場所がすごくきれいだったし、シーン的にもすごく心に残っています。とても可愛いシーンで好きですね」。

山田はサンセットビーチでのキスシーンがお気に入りだそう。「撮影のタイミングもあの瞬間しか撮れないというシビアなものでしたが、夕日が沈んでいくなかでのキスシーンは、あとでモニターを見た時もすごくきれいでした」。

さらに山田は「毎回大輔がいろんなアプローチに挑戦するけど、瑠衣の記憶はリセットされてしまいます。長澤さんはそのたびに『ファーストキスって最高!』と、常に新鮮なリアクションをしてくれるから楽しかったです。長澤さんとはまたお芝居をしたいとずっと思っていたけれど、出る作品の毛色が全然違うから被らなかったんです。でも、今回こうやってご一緒できたし、福田組でリラックスして撮影できたのも良かったです」としみじみ語った。

長澤も山田について「以前共演した時は、お互いにシャイだったし、シリアスな設定だったからほとんどしゃべらなかったんですが、今回は『こういう人だったんだ!』という驚きがありました。でも、お芝居に入る前に集中されている姿や、こつこつやられている姿勢は以前と変わってないんだなと思いました」。

互いにキャリアを重ねてきた2人が、いまだからこそ体現できたという大人のラブストーリー『50回目のファーストキス』。思い切り笑えるコメディパートが多い分、油断していると、2人が愛を確かめ合うシーンで一気に涙腺が崩壊しそう。ぜひハンカチ必携で劇場へ。

取材・文/山崎 伸子

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