今なお語り継がれる伝説のブラック音楽フェスがスクリーンに登場!
今年もフジロックフェスティバル(7月30日〜8月1日開催)やサマーソニック(8月7日、8日開催)といった音楽フェスが盛り上がってきているが、かつて“ブラック・ウッドストック”と呼ばれた大規模な音楽フェスがあったことはご存じだろうか? この一大イベントの模様を描いた音楽ドキュメンタリーが『ソウル・パワー』(6月12日公開)だ。
1974年。モハメド・アリが、ヘビー級チャンピオンの座を賭けて戦った世紀の一戦“キンシャサの奇跡”。その対戦の地と同じザイールで開催された「ザイール74」という音楽フェス(通称:ブラック・ウッドストック)は、ルーツ回帰を目指したアフリカ系アメリカ人ミュージシャンと、解放運動のために戦い続けてきたアフリカ人ミュージシャンが同じステージに立った歴史的な祭典でもある。
最も脂が乗った時代のジェームス・ブラウンをはじめ、B.B.キング、セリア・クルース、ミリアム・マケバ、ビル・ウィザース、ザ・スピナーズ、ザ・クルセイダーズといったミュージシャンが共演したこの音楽フェスは、ザイールの観衆を熱狂させただけでなく、世界中のアフリカ系の人々に勇気と感動を与えたと言われている。
1974年当時では、夢のまた夢であったアフリカ系アメリカ人の大統領が誕生し、南アフリカではサッカーのワールドカップも開催されることになった昨今。本作は、そんなアフリカパワーが音楽で初めて世界に発信された貴重な記録映像でもある。ブラックミュージック・ファンはもちろん、映像を通じて歴史の流れを知りたい人にもうってつけの作品だ。【トライワークス】
作品情報へ