大ヒット『オーシャンズ8』からマット・デイモンが“消された”ワケ
サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム=カーターなど豪華女優が出演する注目の映画『オーシャンズ8』(日本8月10日公開)が、北米で公開早々シリーズの興行記録を塗り替える好調なスタートを見せている。
米バラエティが報じた情報によると『オーシャンズ8』は6月8日に公開されてから、週末3日間の統計で、なんと4150万ドルのチケットの売り上げを記録。スティーヴン・ソダーバーグ監督が、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンらを揃えた『オーシャンズ11』(01)は3810万ドル、『オーシャンズ12』(04)は3915万ドル、『オーシャンズ13』(07)の3613万ドルであったため、最新作の本作がシリーズ最高となった。
本作は、毎年ニューヨークで行われるファッションの祭典メットガラを舞台に、女泥棒達がジュエリー盗難を目論むというストーリー。豪華キャストや華やかな衣装に加え、有名セレブのカメオ登場など女子が楽しめる要素が満載で、観客の69%が女性だったというのも納得できる。
実は『オーシャンズ8』には、マット・デイモンがオリジナル作で演じたライナス役でカメオ出演をしていた。しかし、彼が出演したシーンは撮影終了後、編集の段階ですべてカットされた。
その理由は、マットがセクハラ問題で昨年から映画業界を騒がせているハーヴェイ・ワインスタインと長年関わりがあり「セクハラ告発は支持するが、お尻を触るのとレイプを一括りにするべきではない」といった、#MeTooの動きにネガティブとも取れる発言をしたからではないか、と言われていた。さらには、オンライン上でマットの出演シーンのカットを求める運動まであったそうだ。
なお、『オーシャンズ8』のゲイリー・ロス監督は、マットのシーンをカットした理由は「映画のストーリー構成のための、編集段階での判断」とThe Hollywood Reporterにコメントしている。
真相はどうであれ、このようにキャストを女性で固め、女性客をターゲットにした作品でも興行成績を残せるという事実は、今後ハリウッドの#MeTooムーブメントにより拍車をかけることになるだろう。
LA在住/小池かおる