『借りぐらしのアリエッティ』初日「宮崎駿には内緒だけど『ポニョ』を超えたい!」

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『借りぐらしのアリエッティ』初日「宮崎駿には内緒だけど『ポニョ』を超えたい!」

スタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』の初日舞台挨拶が7月17日にTOHOシネマズスカラ座で開催。声優を務めた志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、三浦友和、竹下景子、主題歌を歌ったセシル・コルベル、米林宏昌監督、鈴木敏夫プロデューサーが登壇。セシルがケルトハープを弾きながら主題歌「Arrietty's Song」を爽やかに歌いあげた後、舞台挨拶では鈴木プロデューサーがある大胆発言をした。

『借りぐらしのアリエッティ』は、『崖の上のポニョ』(08)以来、2年ぶりのジブリ作品で、古い屋敷の床下で両親と住む小人のアリエッティと、病気療養にやってきた翔少年との交流を生き生きと描くファンタジー。本作で監督デビューを果たしたのは、スタジオジブリ生え抜きで最年少の監督となった37歳の米林宏昌だ。毎回マイクをもつと「会社では“麻呂”と呼ばれています」とニコニコしながら挨拶するという癒し系である。今回は続けて「本作の(メイン)登場人物は、床下に3人、床上に3人、そしてプラス1人。そのなかで存在感がある演技が叶ったのは、キャストの方々のおかげです」と笑顔で語った。

アリエッティ役の志田未来は、初のアフレコの仕事に緊張したと言いながらも、「すごく嬉しかったです。小さい頃からジブリ作品を観ながら育ってきたので」と言うと、『千と千尋の神隠し』(01)、『ハウルの動く城』(04)など、ジブリ作品での声優は5作目となる翔役の神木隆之介は、「相変わらず緊張してましたが、ジブリのスタッフのみなさんが家族のように接してくれたので大丈夫でした」とコメント。

ちょうど本日53歳の誕生日を迎えたアリエッティの母・ホミリー役の大竹しのぶは、そのことをふられると、「そうなんですよ。ハッピーバースデー!」と微笑んだ後、「私は、ふたりの子供をジブリの映画を観ながら育てました。セリフも全部覚えるくらいに大好き!」とジブリ作品への思いをアピール。父・ポッド役の三浦友和は、「表情をそんなに出さないキャラクターなので、難しかったです」とアフレコの感想を述べた。

また、屋敷の主人・貞子役の竹下景子も、子供たちと一緒にジブリ作品を観てきたことを語った後で、「映画では有名な貞子さん(『リング』シリーズ)がいますが、これからはアリエッティの貞子さんと思っていただけたらと」とおちゃめなコメントで会場の笑いをとった。

この後、鈴木敏夫プロデューサーから重大発言が!「大きな目標があります。動員数で『(崖の上の)ポニョ』を超えたいんですよ。宮崎駿がいないから言っちゃいます。あ、これは書かないでくださいね(笑)」と言っていたが、堂々書かせていただきました。

小人のファンタジーというユニークな世界感や、ナウシカを彷彿させる凛としたヒロイン像は、間違いなくジブリファンに響きそう。鈴木プロデューサーはもちろん、『借りぐらしのアリエッティ』の企画・脚本を手がけた宮崎駿も、ジブリの若き才能が開花したことを喜んでいるとのこと。実際、宮崎は本作の仕上がりにはいたく満足したと聞いているし、打倒『ポニョ』は、きっと宮崎自身も願っているに違いない。【Movie Walker/山崎伸子】

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