アカデミー賞5部門受賞!不朽の名作『ディア・ハンター』が4Kでよみがえる
2013年にデジタル修復版が公開され話題を博した『天国の門』で知られるマイケル・チミノ監督の代表作で、第51回アカデミー賞では作品賞と監督賞をはじめ5部門に輝いた『ディア・ハンター』が、全米公開からちょうど40年を迎える今年、4Kデジタル修復版としてスクリーンによみがえる。
本作の舞台は60年代末のペンシルバニア州。製鋼所で働くマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)の3人は徴兵される。壮行会を兼ねたスティーヴンの結婚式が盛大に執り行われ、翌日には鹿狩りを楽しんだ彼ら。そして3人は、戦地ベトナムで捕虜として再会を果たすことに…。
主演のロバート・デ・ニーロをはじめ、本作が遺作となった名優ジョン・カザールら豪華俳優陣が鬼気迫る演技を繰り広げていく本作。このたび解禁された日本版メインビジュアルは、本作を観た人ならば決して忘れることができない、あのロシアン・ルーレットのシーンをモチーフにした荘厳なデザインに仕上がっている。
またリンダを演じたメリル・ストリープは、本作の前年にスクリーンデビューを飾ったばかりの当時まだ無名の女優。それでも卓抜した存在感を見せつけ、アカデミー賞助演女優賞にノミネート。現在までつづくアカデミー賞ノミネート21回という大記録は本作から始まったのだ。
3時間を超える超大作の本作は、前半はアメリカの田舎町で暮らす男たちの平穏な日常が描かれ、後半はベトナム戦争の過酷な体験と帰還兵たちの人生が描かれている。戦闘シーンを極力描写することなく、戦争というものの悲惨さを描き出した、20世紀アメリカ映画史に残る名作を、この機会に劇場の大スクリーンでしっかりと目に焼き付けてほしい。
『ディア・ハンター 4Kデジタル修復版』は12月14日(金)より全国公開。
文/久保田 和馬