村上春樹の傑作短編作品『神の子どもたちはみな踊る』が映画化!

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村上春樹の傑作短編作品『神の子どもたちはみな踊る』が映画化!

小説「1Q84」が大ヒットし、代表作『ノルウェイの森』の公開も12月11日(土)に控えているベストセラー作家・村上春樹。そんな同氏の2000年に発刊された短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収録されている同名作の映画化作品が10月30日(土)より公開されることになった。

この短編集は全6話の作品で構成されているが、そこに描かれている物語は全て阪神・淡路大震災(95年1月)と地下鉄サリン事件(95年3月)にはさまれた、同年2月の出来事ばかり。

このことについて村上は「このふたつの出来事が示しているのは、我々の生きている世界がもはや確固としたものではなく、安全なものでもないという事実である。この地震がもたらしたものを、できるだけ象徴的な形で描くことにしよう。つまりこの出来事の本質を、様々な“別のもの”に託して語るのだ」と語っており、彼の強い意志も反映されてか、いずれの短編も読みごたえのあるものとなっている。

ちなみに、本のタイトルにもなっている「神の子どもたちはみな踊る」は、宗教活動に情熱を注ぐ美しい母とふたりで暮らす青年の物語。命の恩人でもある職場の上司や、結婚を願う恋人とも距離を置いた付き合いしかできなかった彼は、ある日、耳の欠けた男を見かける。その男こそ、自分の本当の父親だと確信した青年は、必死に男の後を追ううちに、思いも寄らない体験をすることに、という、なんとも気になるストーリーだ。

映画版は、物語の舞台を日本からロサンゼルスに移し、原作の雰囲気を残しながらもスタイリッシュな映像が楽しめる作品となっている。またキャストには『ラストエンペラー』(87)で皇后を演じ、国際的に脚光を浴びたジョアン・チェンや、名女優ナスターシャ・キンスキーの娘であり、本作で映画デビューを飾るソーニャ・キンスキーなど、個性的な俳優がそろう。彼女らの競演が、物語にどんな化学反応をもたらすのかにも注目しておきたい。

続々と映画化される村上春樹作品。果たして原作の世界観がどういった形で再現されるのか? 『ノルウェイの森』と共に、本作『神の子どもたちはみな踊る』の公開も楽しみに待ちたい。【トライワークス】

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