深田恭子三変化!『恋愛戯曲』インタビュー「こんな人、友達になれない」

インタビュー

深田恭子三変化!『恋愛戯曲』インタビュー「こんな人、友達になれない」

仕事のためなら強制恋愛もできる? 深田恭子、椎名桔平競演の『恋愛戯曲 私と恋におちてください。』(9月25日公開)は、恋におちないとシナリオが書けない女流脚本家と、彼女に振り回されるテレビ局のプロデューサーの恋愛をコミカルに描いたラブストーリーだ。今回4年半ぶりの映画主演となった深田恭子にインタビューを敢行。映画の見どころや、理想の女性像についてたっぷりと語ってくれた。

人気脚本家の谷山真由美(深田恭子)は、テレビ局のスペシャルドラマの脚本を執筆中。だが、原稿は締め切りを過ぎても白紙状態。業を煮やしたテレビ局は、転属したばかりの制作プロデューサー・向井(椎名桔平)を谷山のもとへ送り込む。「脚本のためなら何でもします」と言う向井に、谷山は「恋におちないと脚本が書けないから、私と恋におちて」という難題を突き付ける。

深田は「こんな人が実際にいたら、友達になれない」と演じた谷山には共感できなかったと話す。「年上の人に偉そうにしゃべったりして、同世代にあんな女性がいたら恥ずかしいですね。でも“先生”とかって呼ばれたり、乗せられてワガママになれたのは気持ちよかったですね(笑)」と役柄を楽しんだ様子。「向井のような男性から“何でもします”と言われたら?」と尋ねた。「お弁当を作ってきてほしいですね。どんなお弁当でも一生懸命作ってくれたら嬉しい。一生懸命な男性が好きなので、椎名さんが演じた男性も好きです」。

脚本家を取り巻くのは、プロデューサーだけではない。制作部に不安を感じた編成部長の先島(清水美沙)は、若手・柳原(塚本高史)を谷山のもとに向かわせ、さっさと恋愛させてシナリオを書かせようと動き出す。そのほかにも西村雅彦が演じる営業部長や、中村雅俊扮するスポンサー会社の宣伝部長などさまざまな人間たちが登場。テレビドラマに関わる人間たちの紛争がユーモア満載で描かれる点も本作の魅力だ。

「こんなにいろんな人たちが苦労してできているんだと思うと、改めて台本を大切にしたいと思いました。脚本家の先生には華やかなイメージを抱いていましたが、今回谷山を演じてみて、身を削って作品を生み出していく、精神的にも体力的にも大変なお仕事だなって実感しました。もし私が何か書くとしたらメロン(深田の愛犬)の絵本かな。でも読む人に私の頭の中が見えちゃうじゃないですか? 恥ずかしいですね(笑)」。

劇作家・鴻上尚史が「一番映像化したかった」という舞台を映画化した本作は、3階層にわかれた劇中劇が展開する。深田は「若くして成功したワガママな脚本家」と「地味な主婦」、そして「ゴージャスなセレブ脚本家」という3役に挑戦。異なる女性を演じた彼女にとって理想の女性像とは? 「憧れているのは、強い女性です。いつも冷静で何でもサラッとこなせるような。最近の私は大人になってきたせいか、人に甘えづらくなった気がしますが、ワンちゃんと一緒にいることで癒されてバランスがとれているんだと思います。ずっと綺麗な女性でいられることが理想ですね」。

『ヤッターマン』(08)や『ウルルの森の物語』(09)、そして『アリス・イン・ワンダーランド』(10)では白の女王の日本語吹替を担当するなど、毎回様々な表情で観客を楽しませてくれる深田恭子。今年28歳をむかえ、大人の女優としてさらにその輝きは増していくだろう。彼女が3役に挑戦した本作はその魅力が3倍楽しめる贅沢なコメディーだ。劇中で見せる深田の三変化ぶりを劇場で存分に堪能してもらいたい。【取材・文/鈴木菜保美】

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