ヴェネチア映画祭、松山ケンイチ&菊地凛子の『ノルウェイの森』にスタンディングオベーション!
12月11日(土)日本公開予定の映画『ノルウェイの森』が、9月1日より開催されている第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。原作は村上春樹の同名小説であり、主人公のワタナベの喪失と再生を描いた究極の恋愛物語。1987年に刊行され、国内発行総累計部数は1000万部を突破、36ヶ国の言語に翻訳され、世界中の読者を魅了している、世界的ベストセラーを『青いパパイヤの香り』(94)、『シクロ』(96)のトラン・アン・ユン監督がメガホンを取り映画化。そしてこの度、ヴェネチア国際映画祭の公式記者会見及び公式上映に出席するため、トラン・アン・ユン監督、出演の松山ケンイチ、菊地凜子、水原希子らが現地に入った。
撮影についての問いかけに、松山は「原作に忠実であるなら相当な覚悟が必要だなと思っていましたが、表情を主に描くということで、違う芝居の仕方を要求されましたし、すごく時間をかけて撮影させてもらいました」とコメント。また、2009年のカンヌ国際映画際に参加した時、「ノルウェイの森」の映画化について、本当に期待されている作品だと知った菊地は、「日本の原作で、日本製作の映画での参加は今回が初めてとなり、日本人として参加できることが大変感慨深いです」と作品に対する強い思いを語った。また、現場でカメラアングルなどテクニカルなことや内面的なことを松山と相談したと話す菊地は、「キャストに恵まれ、協力し合ってできた作品です」と映画撮影での思い入れも語った。
また、過去に『シクロ』で第52回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を取ったことで知られるトラン・アン・ユン監督は「観光ではなく、賞を獲りに来ました。過去は過去であり、今回ももちろん賞を獲りたいと思っています。また、今回はキャストが素晴らしい仕事をしています。男優賞、女優賞など、演技に関する賞が獲れたら、とても嬉しいです」と満足のいく仕上がりだとアピールした。
その後、1016席の場内で行われた公式上映では、エンドロールでビートルズの「ノルウェイの森」が流れると、スタンディングオベーションが起こり、数分間拍手が鳴り止まなかった。松山と監督ががっちりと握手をする光景も見られた。【MovieWalker】