25歳のしょこたんが初主演&初監督と初もの尽くし
しょこたんこと中川翔子が、『恋の正しい方法は本にも設計図にも載っていない』(10月2日公開)で初主演を飾った。歌手、声優、タレント、漫画家、ブログの女王、そして映画監督デビューまで果たしたしょこたんだが、本作では女優に開眼し、等身大の恋するヒロインを好演。そこでしょこたんを直撃し、撮影秘話から熱い人生観まで、たっぷりと語ってもらった。
本作は、ケータイ音楽ドラマ“DOR@MO”第4弾のアーティスト主演ドラマとして配信され、好評を博した作品で、今回2週間限定で劇場公開が決定した。しょこたんのシングル曲「千の言葉と二人の秘密」をモチーフにしたオリジナルストーリーで、『月とキャベツ』(96)や『はつ恋』(00)の篠原哲雄監督がメガホンをとり、しょこたんから繊細な表情を引き出した。
初主演作ということで、最初は戸惑いを覚えたという彼女。「初主演なんて晴天の霹靂で! しかも監督にお会いして、1週間後から撮影スタート、それに『キスシーンもありだよ』って言われて、どうしようって思って。まず台本を覚えようと、受験生が使うマーカーと下敷きで隠す作戦から始めました」。
しょこたんが演じるのは、恋に臆病で、本好きな図書館司書の野田泉役。ある日、合コンでラテン系男子・米谷ネル(D-BOYS鈴木裕樹)と出会う。彼から猛烈なアプローチを受けた泉は、拒絶しながらも夢を語るネルに心惹かれていく。泉役に非常に共感したというしょこたん。「私も本が大好きで、人が苦手で、恋に臆病と、泉ちゃんに深いところがそっくりで。この3年くらいでやっとポジティブになってきたけど、私も今のお仕事をしてなかったら、泉ちゃんのようになっていたかもしれない。演技はやっていくうちにもっと楽しまなきゃって思えてきて。こうやってたくさんの紐でできた人生や思いが形になって残る、生きた証になるんだと思うとすごく嬉しいです」
“生きた証”を残すことを、彼女はいつも意識しているという。「歌で見えてきた出会いで今を生きていることを実感したり、父(中川勝彦)の足跡を亡くなってから感じたりします。時代が違って、インターネットとかがあったなら、父ももっとやりたいことを残せたんじゃないかとも思います。今、何をしていても、何もかもが有限だと思うと、なんだかすごく焦るんです。ありがたいのは、生きた証を残せるチャンスのあるお仕事をさせていただいていることですね」。
さらに、映画『七瀬ふたたび』(10月2日公開)の前日談を短編映画化した『七瀬ふたたび プロローグ』で監督デビューも果たした彼女。「現場ではすごくテンパリましたが、漫画のコマ割りにした絵コンテをお渡ししたり、CGのシーンも自分で描いた絵のイメージでやってもらったりして、また違った視点で映画を見させていただいて感動しました。昨年までなら無理って思っていたものも、やってみると楽しいってことがすごくあるなって。25歳になって、無理やりじゃなく、リアルな等身大で歩んでいける感じがして、楽しくなってきました」。
今後、挑戦したいことを尋ねたら、彼女らしいコメントが返ってきた。「自分で全部物語を考えて、漫画にして、映画にして、アフレコをして、主題歌をやれたりしたら楽しいかなと。アニメを作りたいですね。また、演技の仕事ももっとやりたいなと。新しいことを重ねていくのは楽しいので、それを深めていきたいです」。【Movie Walker/山崎伸子】